◆重油事故から3ヶ月、沈没ロシア船の流出続く。
 ・・回収いまも地元民で、被害補償のめど立たず。

◆船尾沈没の海域でやや高い油分濃度一一水産庁

(4月2日)                  戻る

◆重油事故から3ヶ月、沈没ロシア船の流出続く。
回収いまも地元民で、被害補償のめど立たず。     先頭に戻る


 ことし一月のロシア船タンカー沈没・重油流出事故から2日で3カ月。これまでに重油回収作業に、石川県が約20万人、福井県が約16万人が出動しました。現在でも、1日あたり2、3百人の住民らが作業にあたっています。島根県沖の深海に沈没したロシアの船尾部からは1日あたり3〜14キロリットルの重油が流出。後遺症はまだ重くのしかかっています。
 水産庁は1日、福井、石川県などの沖合海域で重油流出の影響調査結果を発表。船尾部が沈没した島根県隠岐島北東沖約140キロの沈没地点周辺の海水が、通常の1・8倍の油で汚れていることがわかりました。

●船尾部の重油流出防止対策は先送り

 ナホトカ号船尾部残存油対策検討委員会(委員長、堀川清司埼玉大学長)が3月下旬に古賀運輸相に提出した報告書によると、船尾部からは1日あたり3〜14キロリットル程度流出をつづけて
います。沈没してからこれまでに流出した重油は約250〜1200キロリットル。しかし、政府は、重油流出個所を止める応急措置が経済性から困難だとして、船体監視の継続をするだけ。船尾部に残っている重油は、3700〜9900キロリットルにのぼり、この流出防止対策は先送りされたままです。
 福井、石川両県では地元住民やボランティアが中心になり、いまも海岸や砂浜で重油の回収作業にあたっています。3月は、福井県だけで約700キロリットル、作業者は約2万人にのぼります。
 全国からのべ約3万8千人のボランティアが駆けつけた福井県三国町のボランティア本部は3月31日に解散。今後は地元住民らが残っている重油の回収作業をすすめる予定です。

●被害総額がつかめない

 福井県の災害対策本部は「美浜町などでおこなっているように、砂浜の砂を海に押し出すと油が浮いてくる。この油を回収するが、どうしても手のとどかないところは自然の分解にまかせるしかない」といいます。
 漁業、商工被害をとりまとめている水産庁の対策本部では「全体の被害総額がつかめない」というのが実態です。福井県などによると現在、油回収にかかった費用として船主に補償請求しているのは、関連漁協分が約23億円、自治体分が約20億円(人件費をのぞく)。福井県の緊急融資は、商工被害対策分が3月末までに約10億円(79件)、漁業被害対策分が同10億円(85件)にすぎません。
 政府が各自治体に出した交付金の総額は、わずか18億円、特別交付税も60数億円。約90億円の海上災費防止センターへの融資という程度で、被害補償の先行きは不透明。そのうえ1日からの消費税引き上げが、住民のくらし、営業に追い打ちをかけます。

◆船尾沈没の海域でやや高い油分濃度一一水産庁   先頭に戻る

 水産庁は1日、ロシア船籍タンカー「ナホトカ」の重油流出事故に関連し、沖合海域の環境影響調査結果を発表しました。若狭湾沖から新潟県沖まで22の調査ポイントで、海水の油分濃度は1リットル当たり1・8〜2・6マイクログラム(1マイクログラムは100万分の1グラム)を示し、通常値(同2マイクログラム)と同程度となりました。同庁は「沖合への影響はなく、エビやカニなどの水産物にも間題はない」と結論付けています。
 調査は2月7日から同24日まで、同庁の水産研究所が実施しました。ただ、調査ポイントのうち、タンカーの船尾部分の沈む海域1カ所では、同3・59マイクログラムとやや高い濃度を記録しています。