重油との格闘と怒り伝える(三国町議・山田和雄 談)
日本系「ドキュメント’97」(16日深夜)
黒い波〜福井・三国町からの報告 福井放送制作
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福井県三国町の海岸で回収作業する
日本共産党の山田和雄町議(中央)
◆重油との格闘と怒り伝える
「海の空気が不思議な紫色に染まった感じ。同時に重油のにおいが鼻をつき、これはえらいことになったなと思った」自宅の窓から、船首部分の座礁、重油漂着の瞬間を見続けていた大湊神社の神主・松村忠祀さんが、番組冒頭でその日の様子を語っています。
◆恵みの海を誇りに思い
三国町は福井市のすぐ北にある町です。冬場は岩ノリ、春はワカメ、夏場にはウニ、アワビ、サザエと、四季を通して豊かな自然の恵みを与えてくれる日本海。その海が無残に、これ以上ないというほどまでに汚されてしまいました。
「宝の海が死んでしまった。これまで稼がせてもらったから、その恩返しをしなければ。私たち
の生きているあいだは無理だろうけど、一日も早く元の姿に戻したい」ある海女さんの言葉が印象的でした。
地元住民は、ただ単に生活の糧を得る場としてではなく、この恵みの海を誇りに思い、慈しみ、ともに生きてきました。
そんな海を元の姿に戻したい。厳しい寒さのなかで始まった重油とのたたかい。その先頭に立ったのはバケツやひしゃくを手にした人々でした。
◆事故を災害にした背景
ひとつの災害が起こるたび、私は疑問に思うことがあります。この日本という国は、本当に発達した国なのだろうか、と。
技術は発達しているのだろう。しかし、それを管理し、有効に使えるだけの能力が備わっていなければ、果たしてそれを技術と呼ぶことができるのだろうか、と。これは多くの人が感じるところではないでしょうか。
番組では、初動体制の遅れ、ふだんからの防御体制の弱さが、ひとつの事故を結果的に災害としてしまつた背景が描かれ、問題点が提起されていたと思います。
その点では、「赤旗」に掲載されていたような運輸省の油回収船「清龍丸」乗組員の姿、生の声が紹介されていたならば、問題の本質はもっと明確になっていたのではないかと感じました。
◆政府は甘えつづけるな
きょうも海岸では、多くの人々がひとつひとつの石を丹念に布でふいています。賽(さい)の河原を連想させる、終わりの見えない作業ですが、こういった作業の積み重ねが、ゆっくりとではありますが、確実な海の回復へと結びついてきたのも事実です。今後も人々は努力を惜しまないでしよう。
しかし政府はそんな善意に甘え続けるべきではありません。果たすべき責任は山とあります。環境の回復、漁業・観光業への補償、再発防止策……。地元雄島漁協長・梅野茂雄さんの「どうか、国の責任で解決してください」の声を無視することは許されません。
地元福井放送の制作ということもあり、地元の怒り、要望、問題の本質がストレートに伝わる、力のこもったドキュメンタリー番組でした。
示談決着額の60%までナホトカ事故で暫定支払い
(2月20日)
国際条約にもとづき油による海洋汚染被害を補償する国際油濁補償基金(IOPCF、本部ロンドン)の理議会が18日かり2日間の日程で開かれ、同日午前の討議で、ナホトカ号事故の油濁被害者にたいする補償金について、示談決着額60%まで暫定治的な支払いをおこなう権限を、ヤコブソン事務局長に与えることを決定しました。【ロンドン18日時事 】