重油漂着の福井・三国町、重油回収始まる(現地ルポ)
岩ノリまだ1回もとらないうちに・・・
゛早く元の海をかえして〃
(1月8日) 戻る
沈没したロシア船籍タンカーによる重油流出事故。重油の漂着から一夜あけた8日、福井県三国町の海岸では、バキュームカーや人手による油の除去作業が始まる一方、地元では風評被害や漁への不安のなかで「早く元の海にもどして」と切実な声があがっています。
◆「5、6日漂流してたんやから、その間に油を除去する方法はなかったんか」
天候が急変する北陸の冬。8日のこの日も三国町は昼ころにかけて晴れ間から強風、雪、雨の天気でした。船首が座礁し重油が漂着したのは三国町雄島(おしま)地区など。観光地で有名な東尋坊ちかくです。海岸に近づくと重油の匂いが鼻をつき、日本海の波が激しくうちつける波消しブロックは重油で黒々となっています。
この海辺では午前中、富山ナンバーの4台をふくむ6台のバキュームカーからのびたホース黒々とした海の重油を吸い上げていました。「重油の層は深いところでは3、40センチはある」と現場の作業員。その幅は20メートルはある感じです。ヘルメット作業着姿の労働者が重油の海にすわりこみ、胸まで黒くなってホースを動かすなか、沖合にはタンカー船首が頭をもたげています。その間も海岸べりの道路にはドラム缶が並べるれていました。
「タンカー油流出事故対策梶区連絡所」の看板がかかけられた雄島地区梶漁協センター。ひしゃく、油吸着マットでの重油除去作業中の組合員47人が昼食休憩の最中でした。代表の山口功さんは「5、6日漂流してたんやから、その間に油を除去する方法はなかったんか、日本全国には経験があったはず。いまは、とにかく油を海から早くとりのぞいてほしい」といいます。
◆海女さんの言葉・・「今年はじっとしているしかない」
親のあとをついで海女の仕事を50年しているという女性の一人は「1〜3月は岩ノリとりの時期なんですが今年はじっとしているしかない。私らは海のどこに何かあるか全部わかっているけど、きのう重油をふくんだ船首が5、6キロ先の海に見えたときには、もうあかんなと思いました」と語りました。
◆みやげ物の店で・・「今年は大変な年になるな」
みやげ物の店で東尋坊のみやけ物売り場で働いている地元の女性もいいました。「岩ノリとりのため海岸もきれいに掃除してたのに、波が荒くて今期はまだ一回もとらないうちに重油の事故になつた。あきらめかつかんやろ。ウ二も繁殖期で磯へきていたから大変と。レジ前にすわっていた年配の女性も「『昼食にいっても大丈夫か』」の間い合わせがあった店もでたらしい。これからは予約が減るかもしらん。なんといってもイメージダウンが大きいやろ。今年は大変な年になるな」と語りました。
◆漁協関係者・・・「一日も早く元の海にもどして」
離島漁脇の海野茂雄組合長は「今回よりずっと少なかった90年の重油流出事故ですら海底の石をめくると今でも油がでてくることがある。とにかく一日も早く元の海にもどしてというのが組合員の気持ち」とのべながら、「まだ油のつき方や除去の仕方かまったくわからん。きょうの作業をみて考える」と困惑の表情が残りました。