タンカー重油流出事故における地域住民『健康・生活調査』報告・・・・福井民医連
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◆タンカー重油流出事故における地域住民『健康・生活調査』報告
1997年1月21日
福井県民主医療機関連合会 会長・平野治和
1月15日から19日までタンカー重油流出事故による被害の大きい安島を中心に15地区の健康・生活調査を行いました。概略は以下の通りです。
各関係機関の対策の参考にして下さい.
1、健康・生活調査の目的
事故発生に対する作業従事による地域住民の身体・精神面への影響が懸念され、主に健康面、精神面、生活面などの聞き取り調査を行った。
2、対象・方法
安島、埼、梶、浜地、米が脇の5つの地域に入り、医師5名を中心に看譲婦、職員延べ80名が参加して180名の住民から聞き取り調査を行った。
3、調査項目
*事故処理作業にかかわった日数
*作業従事による疲労感の有無と度合い
*作業従をによる身体への影響
*作業従事による精神面への影響
*慢性疾患有無と継続した治療の可否。病気の悪化の有無。
*生活サイクルの変化と伴う困雑
*事故による将来面での不安
*要望
4、結果(別紙参照)
安島123人、崎20人、梶20人、浜地4人、米が脇13人、合計180人に健康・生活面での聞き取り調査を行った。
・健康や生活面で地域差はなく、健康・生活面への影響は同一であった。
・身体上への影響として、疲労感を感じている人は118名(66%)に達しており精神的影響(不眠)を訴えている人も回答の10%を超えている。
・作業による足腰や手の痛みは71名、重油による目の影響は40名、喉の痛みは30名から訴えが上がっている。その他、頭痛、吐き気、皮膚のかぶれなどの症状も出ている。また、51名が慢性疾患を持っており病状の悪化が心配される。
18日、19日の調査の中で、ストレスによる胃の痛みを訴える人が出てきている。
5、調査での特徴点
事後処理作業により、地域住民の生活サイクルが大幅にに変化し、毎日作業に出ている人、休日に作業をする人と形態に差はあるが、総体的に休みが取れずに疲労が蓄積しており、さらに身体上の影響が出ることが心配される。また、作業中心の生活になり、食事も朝以外は炊き出しのおにぎりで過ごしている人も多い。
精神面では、多数のボランティア・報道陣への遠慮や精神的重圧感も特徴的であり、住民の日常生活への影響が出ている。なかには、膵臓の手術後なのに作業に参加している住民や、作業に出て風邪をこじらせ解熱剤を服用して作業に出ている人など、かなり無理をして作業に参加している住民もいる。
漁業で生計を立てている人、観光面での従事者などは経済面や将来への不安が大きく眠れないという訴えや、海女さんからは生きがいを奪われたようだと精神的な打撃の声も上げられている。
生活サイクルの変化や健康面での状況は、処理作業開始後10日目より出てきている『胃痛の訴え』などにも現れるように、作業の続く期間に比例して身体・精神面への影響がさらに大きくなることが予想される。また、慢性疾患の悪化も懸念される。
6、調査の中で出された要望に対する実現
調査の中で出された要望を自治体へ要請する中で、活性炭入りマスクやカッパなどの地域への配布、対策会議での情報の住民への提供、地域の集落センターへの医師・看護婦の配置などが実現した。
7、今後の対策と私たちの提言
今回の調査は事故発生後の初期段階での調査であり、定期的な住民要求調査に基づいた対応が求められる。
(1)繋急処置と予防対策
・重油による影響の緊急処置(目に入ったらどうする、皮膚についたらどうするなど)や過労や慢性疾患悪化の予防などの啓蒙活動
(2)週1回の休日と住民の継続的な健康管理と体制
(3)作業における身体上への被害についての医療費の助成
(4I関係地域の労働者を雇用する企業はボランティア休暇の補償を!
(5)各家庭への物資の配布
(6)高齢者・女性への作業の軽減
以上
◆連絡先
福井民主医療機関連合会
福井市光陽3-4-10
電話l0776(27)6648
fax0776(25)6793