![]() 「どこから手をつければいいのか・・」一階部分を土砂で埋め尽くされた家=7月24日、福井県美山町藏作にて |
福井県での豪雨災害で25日現在、死亡者3人行方不明者2人、床上・床下浸水1万4,169棟に及ぶなど、深刻な被害が広がっています。ボランティアのみなさんの献身的な救援活動は、被災者をはげましていますが、「早く個人への公的な援助を」と求める切実な声もあがっています。
| 死者(行方不明) | 床上・床下浸水 | 家屋の全壊(半壊) | 避難所生活の人 |
| 3(2)人 | 1万4,169棟 | 69(140) | 3市町で229人 |
福井県今立町で精肉・冷凍野菜・卸業を営む成田位智朗(51)、泉枝(51)夫妻は近くの服間川のはんらんで1.5メートルの高さまで水につかり、大型冷凍庫や軽トラックを流されました。
肉を切るスライサーからパソコンなど機械類だけで被害額は1,500万円以上に。「在庫や肉製品も全部だめ。3日後にはすごいにおいになり、後かたづけも大変でした」。二トントラック17台分がこみになりました。
「20年間の努力が30分でパーになった。行政に援助を求めてはいけないのでしょうか」と位智朗さん。被災者生活再建支援法は、住宅の損害状況に応じて百万円から三百万円が支給されますが、営業被害などへの補償はありません。「生活と営業で区別せず一律に援助できないものか。勇気づける施策がほしい」と訴えます。
福井県池田町で鉄工所を経営する村内光晴社長(36)は、「行政はここまで冷淡なのか、信じられない思い」といいます。
数値制御の工作機械すべてが水につかりました。行政による被害調査もなし。被害予想額は機械だけで三千万以上。「社員を抱え、会社をつぶすわけにはいかない。現状では融資を受けても返せない。死ぬしかないのか。行政とは何なのでしょうか」
![]() 民宿の食堂で泥でつかった食器をひとつひとつ消毒し洗浄する人たち=7月24日、福井市・安波賀にて |
福井県美山町の水田は稲作面積の74%が冠水しました(24日午前9時現在、県農林水産部発表)。
越前美山農業協同組合本所の伊坂民裕惨事理事は、「ハナエチゼン(早稲)は花が咲いていて受粉するところでしたが、泥をかぶったものはダメでしょう。コシヒカリは花が咲いていませんが、用水が泥で埋まっており、水が供給されません。泥が乾けばやがて枯れてしまいます」と語ります。
美山町小宇坂島の水田はまるで造成した土地みたいに泥が埋まっています。隣の小宇坂の水田には濁流が運び込んだ流木が散在します。被害にあった男性は、「このぶんだと来年も無理ではないか」と不安げに語ります。同集落は道路が開通し、電気、水道が使えるようになりました。男性はいいます。「いまお願いしたいのは、用水の復旧です。このあたりは生活、防火、農業の三つを兼ねているんです」