西川一誠・福井県知事に申し入れをした、全文を紹介します。
2003年 7月 1日                  

日本共産党嶺南地区委員会                           

日本共産党敦賀市会議員団 団長 上原修一

福井県知事 西川一誠 殿 

樫曲の民間廃棄物最終処理場に関する申入書   

 敦賀市樫曲の民間廃棄物最終処分場問題で、私たちは、違法に積み上げられた“ゴミ”によって木の芽川と地下水が汚染されていることを県知事に対して摘発し、完全な漏水防止対策とえん堤の安全性を確立するため、緊急対策を施行するよう、また恒久的対策として違法に持ち込まれた廃棄物は撤去・無害化するよう申し入れてきました。

 その後2001年11月、ようやく漏水を認めた県は、覆土工事に続き昨年11月に漏水防止対策工事を決定しました。

 そして、本年県が代執行していた漏水防止対策工事が完了し、その工事内容、および、昨年8月に完了した覆土工事の効果についての検討結果を6月10日敦賀市議会に説明しました。しかし、説明は「欠陥報告」であるとう専門家の指摘があります。

 ついては、以下の問題点について、必要な対策を講じることを強く求めます。

1、遮水壁の工法変更について、「下部に玉石があり、矢板が打てなかったため、80センチ間隔で、128本、深さ7メートルのボーリングをし、セメントを注入。(高さ)3メートル強、(長さ100メートル)の遮水壁を構築した」(畠山課長)といいます。

 しかし、矢板が打てないくらいであれば、当然ボーリングも貫通していないと見るべきであり、特に遮水壁下部での漏水止めに重大な弱点があります。

 敦賀市の多くの議員が指摘したとおり、「遮水壁」を構築したものの、ボーリング孔にセメントミルクを注入しただけの工法で汚水の流出を食い止めることは事実上不可能であり、完全な遮水性能は期待できません。

 よって、鋼矢板を打ち込んで山止めをし、その前面(川側)を基盤まで掘り下げて清掃、コンクリートを割れ目に圧入(カーテングラウティングという)し、基盤の中の割れ目をふさぐことが必要です。さらに、これを基礎として鉄筋コンクリートで遮水壁を構築しその山側表面に遮水シート・遮水塗料で防護層を作り、埋め戻す工事が必要です。これらを早急に実施することを求めます。 

 さらに工法変更について、「技術検討委員会」はどのような技術指導を行ったのか、工法変更に至る経過、および全ての資料を開示するよう求めます。

2、「護岸からの汚水流出は減少しつつあり、下流側の木の芽川の水質も改善されて来た」といいます。しかし、具体的なデータは示されていません。本年2

 12日の護岸の導電率は4,900μs/B、ビスフェノールAは7,000μK/Lもあることから、汚水流出は明白です。

 さらに、ふとん籠の下からの漏洩については、「漏水は止まっていると考えている」と無責任な答弁を行っているのは問題です。

 よって、護岸データで、汚水洩れが無くなった、あるいは改善されたという評価するのであれば、ふとん籠を一時撤去して、湧出状況が目視出来るようにすべきです。私たちや敦賀市が定時調査してきた場所であり、「意図的な測定妨害」ではと疑っています。早急にふとん籠を撤去することを求めます。

 さらに、県の見解に対する根拠となる資料の開示を求めます。

 3、この報告書の「一斉水質検査結果について」は、原水、観測井、護岸などの水中の各成分濃度だけを記載しているだけで、その水量〜流量〜負荷量の計測を全くやっていないので、その点だけでも「欠陥報告書」です。

 各観測点で分析値が異なるのは良くある現象で、汚水分布の不均質性を示す現象ですが、その解釈に当たっては、現場の雨量・表層土壌水分(覆土の効果判定に使えます)・観測井戸の地下水位・集水井の地下水位と回収水量などのデータが不可欠です。

 よって、それらの測定結果があれば、それらの値を考慮した解釈・評価を早急に行い、その結果を報告すること。あわせて、全ての資料を開示することを求めます。

 また、測定していないのであれば早急に実施し、同様に行うことを求めます。

 さらに木の芽川については「導電率と流量は測っていて、事態は改善されてきている」というのであれば、その資料を開示することを求めます。

 4、県は、「水質検査の結果等10月を目途に取りまとめをして県の『技術検討委員会』で検討する」といいますが、このような欠陥報告書のチェックが出来ないような検討委員会だとしたら、その能力が疑われます。

 よって、この委員会での審議は、今後の対策を決めるうえで重要であり、公開で実施する必要があります。誰もが傍聴出来るよう、また意見をいえるようにすることを求めます。(「もんじゅ」委員会の例がある)

 5、「水質調査の結果・・・、一定の改善傾向が見られる」といいますが、漏水は依然として続いています。したがって、根本的・長期的な対策を示さず、単に不充分な応急措置しか示せなかった、この間の「技術検討委員会」の対策に照らせば、抜本的な対策としては、違法搬入分の撤去・無害化しかあり得ないことは明らかです。

 よって、河岸沿いに連続遮水壁を構築することや木の芽川を護岸から迂回させる漏水対策など応急対策と平行して、一刻も早く、そのための具体的計画の立案に踏み切ることを求めます。

以上