◆東海村で「動燃事故の徹底究明と日本の原子力政策の根本的転換」を求める全国抗議集会開く。
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今年三月に火災・爆発事故を起こした動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の再処理工場がある茨城県東海村で二十四日、原発問題住民運動全国連絡センターと同茨城県連絡センター主催の「動燃事故と日本の原子力政策を考える」全国抗議集会が、全国から四百人以上が参加し開かれました。
この集会は、動燃事故を契機に国民の原発への不安の声が高まっている中で、原発の発祥の地である東海で、動燃事故の徹底究明と日本の原子力政策の根本的転換を求めるという大変重要な集会となりました。
集会の最後に、@「もんじゅ」・再処理工場事故の第三者機関による事故原因の徹底究明。Aプルトニウム利用を中心とする日本の原子力政策の抜本的見直し。B既設原発について、耐震安全性の総点検の実施、原子力災害対策の確立を求める。Cこれらの要求にもとづき、思想信条、原発賛否の意見の違いをこえて、要求にもとづく共同行動を、全国各地でひろげていくことなどを確認するアピールを採択(裏面に全文あり)。閉会後、動燃東海事業所までデモ行進しました。
●原発政策かえさせるために、政治の力関係をかえるために努力
来賓としてあいさつした日本共産党の阿部幸代参院議員は、青森県六ヶ所村を調査し、青森県が核の最終処分場になるのではないか。「トイレなきマンション」といわれる日本の原子力政策の付け回しを青森県民に押しつけようとしているという印象をもった。これは絶対に許されないことだと述べ、核燃料再処理路線からの転換と、原発推進政策の根本的見直しを実現するために政治の力関係をかえるために努力すると訴えました。
記念講演では、市川富士夫・明治大学講師が、動燃事故から問われている日本の原子力政策の問題点を解説。世界でも突出している原発の大増設とプルトニウム利用に固執する原子力開発政策を抜本的に見直すべきだと強調しました。
●一切の生きとし生けるものは幸福であれ、安泰(あんたい)であれ、安楽であれ。
中島哲演・福井県小浜市明通寺住職は、若狭の一住民・一仏教者の視点からとして、「一切の生きとし生けるものは幸福であれ、安泰(あんたい)であれ、安楽であれ。・・・。」というブッダのことばを紹介し、「すべての生きとし生けるものとの共存共生」、私たちの生活、幸せと「プルトニウム利用」路線とは相いれないことをするどく告発。再処理プルトニウム利用からの撤退、省エネ対策・新エネ開発の積極的な展開を求めました。
●原発の危険に反対する緊急要求で共同を
特別報告をおこなった角田道生・埼玉大学講師は、新潟県巻町の運動やその後全国に波及した住民運動は、これまでの原発に対する考え方(賛成、反対など)をこえて原発の危険に反対するという一致点で、国民多数の具体的な要求になりつつある。
しかし、「『あらしの過ぎるのをまとう』という動燃幹部の発言もある。政府も原子力政策を変更していない現在、一つ一つの運動が大切になっている」と発言。地元、茨城県などでの運動を全国的運動に発展させることができれば、国の原子力政策を根本的に変えることができると強調しました。
●「もんじゅをスットプ」へ、永久停止を求める署名を22万目標に
討論では、上野寿雄・嶺南連絡会代表委員は、もんじゅ事故以来、地元では住民をはじめ原発に勤める幹部からも「事故隠しと責任を下請け企業に押しつける体質は必ず大きな事故を起こすと心配していた」など原発に対する不安がつのっていることを紹介。もんじゅをスットプさせるために、もんじゅの永久停止を求める署名を「増設反対二十一万署名」をこえて、二十二万を目標にがんばっていること。
また、地場産業や観光開発が遅れていること、働く場所がないことなど具体的に指摘。「原発が地域振興の足かせとなっている」ことを報告。あわせて、緊急時対策を、国、電力会社に要求し、さしあたりヨウ素剤の配布、避難訓練など自治体でもできることはすぐ実施するよう、住民と協力しながら運動をすすめる決意を述べました。
●原発の耐震安全性の総点検実施を要求せよ
渡辺三郎・全国センター代表委員は、原発の耐震安全性について、今の原発の耐震設計審査指針のもとになっている「大崎理論」は福井地震と伊豆大島の地震の記録をもとに算出されている。これは約50年前の地震で、お墓が倒れたかどうかなどによって地震の大きさ(地震動)が判断されたもので「たいへん幼稚な理論」であり、その後進歩した理論、阪神淡路大震災での詳細な科学的なデータをもとに見直すべきだと述べ、全国の「みなさんの原発でも鋭く追求してほしい」と訴えました。
この集会に福井県からは、上原修一、猿橋巧、川畑潤子、朝倉説子の各議員、嶺南連絡会の小川多嘉士代表委員、松永糺さん医療生協の平田博祐さんなど十五名が参加しました。
◆新潟県小国町で各家庭にヨウ素剤を配布
細井良雄・小国町会議員は、「7月8日に1990世帯、7215人分、14430錠のヨウ素剤が各家庭に配布され、十数年来の運動の成果が実った」と報告。
これには厚生省が家庭にヨウ素剤を置くことは「薬事法違反だ」と圧力がかかりましたが、町民が購入し、町が費用を負担するという方法で圧力をはねのけ実現したものです。
◆動燃見学とかけて、サファリパークととく・・。そのこころは・・?
◆集会前日の二三日、動燃の東海再処理を見学したさい、バスから一歩も降ろさなかったことについての感想として、山崎孝・科労協議長は「動燃見学とかけて、サファリパークととく・・・。その心は・・恐くてバスからおろせない。要するに我々が恐いからだ。」と述べると会場は大爆笑。◆放射能に汚染された施設の中を風がとおりぬけるのを何日も放置しながら、住民に対しては「核防護」の名によって写真一枚撮らせない、施設の中も見せないという動燃の体質は、原子力施設を安全に管理する能力も資格もないということを天下に明らかにしました。◆住民世論を盛り上げ、すべて明らかにさせましょう。
◆東海集会アピール(全文)
動燃事故に抗議し、日本の原子力政策の抜本的な見直しを求めて
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の九七年三月の再処理工場の火災・爆発事故、九五年十二月の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ・火災事故は、日本の原子力政策の根幹を揺るがしています。それらは、日本の原子力政策の基軸であるプルトニウム利用を中心とする「核燃料リサイクル政策」の再処理、高速増殖の開発の推進のさなかに、しかも、それぞれの中核施設で起きた事故だからです。
九五年一月の兵庫県南部地震(M七・二)は、基本的な備えを欠いたために、阪神・淡路大震災をもたらし、日本の原発の耐震性をはじめとする安全性が改めて根本から問われていますこうしたなかで、私たちは、今日、ここに、「動燃事故と日本の原子力政策を考える」全国抗議集会に集まりました。緊急要求として、「動燃事故の第三者機関による徹底究明と原子力開発政策の抜本的見直し」をメーンスローガンに、「安全犠牲に目に見えるコストダウンの超大型炉%穴C3・4号機の増設反対」、「東海原発への『ブルサーマル計画』に反対」、「東海原発の耐震安全性の総点検を実施せよ」、「原子力災害対策の確立を」、「風評被害の補償を」をサブスローガンに掲げて、私たちは、この集会を開きました。集会参加者の共通の意思として、私たちはつぎの諸点を要求します。
第一に、「もんじゅ」事故、再処理工場事故について、開発及び許認可・審査等に直接かかわりがない第三者機関による事故原因の徹底究明を重ねて強く要求します。
これまでの調査は、開発担当の動燃、第一次「安全審査」担当の科学技術庁、ダブルチェック担当の原子力安全委員会と、事故の発生に直接の責任を負う当事者同士の調査でしかなく、これでは、はじめから公正かつ客観的な調査は保障されず、事故の真相を解明することはできません。
第三者機関による調査によってこそ、技術的側面をはじめとして、その開発体制、「安全審査」・規制体制などを含む総合的かつ全面的な事故原因の徹底究明が可能となるのです。
第二に、プルトニウム利用を中心とする日本の原子力政策の抜本的見直し・安全優先への根本的転換を要求します。
再処理事故、「もんじゅ」事故の事故原因の調査があいまいにされている一方で、動燃改革検討委員会の報告に示されるように、プルトニウム利用路線を中心とする従来の原子力政策を前提として、動燃の「衣替え」で事態の乗り切りが図られようとしています。断じて許されないことです。世界がプルトニウム利用を中心とする原子力政策、なかでも技術的困難、財政的困難から高速増殖炉開発から撤退しているときに、「原子力平和利用の世界の牽引国としての役割を果たしていく」と豪語して、世界でも異常な推進をはかっているさなかに重大な事故が発生したのです。
@「もんじゅ」、東海再処理工場の運転停止はもちろん、A青森県の核燃料サイクル施設の建設中止、B既設原発への「ブルサーマル計画」の撤回などを含めて、プルトニウム利用を中心とする日本の原子力政策の抜本的見直しこそ急務です。使用済み核燃料は、再処理せず、原発サイトに安全に保管することを要求します。貯蔵プールの増設などは、断じて認められず、満杯になったところから運転を停止すること。
第三に、既設原発について、耐震安全性の総点検の実施、原子力災害対策の確立を要求します。
日本のすべての原発の耐震設計が兵庫県南部地震程度の地震動に耐えられない現状にたいして、きわめて深い憂慮を禁じえません。原子力安全委員会の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」を「妥当」とする報告をはじめとする政府、電力業界の原発の「耐震安全」宣言はなんの根拠もなく、地震対策をサボる口実にすぎません。世界で有数の地震国・日本列島周辺の地震が本格的な活動期に入ったとされる今日、耐震安全性の総点検の実施は緊急の課題です。さらに科学的基準にもとづく全面的な総点検が不可欠です。
日本の原発の過酷事故(シビアアクシデント)対策は、世界に大きな遅れをとり、しかも、電力会社まかせで、住民対策は含まれていません。「防災対策」も、放射能を対象とする原子力災害対策として、独自に取り扱う構えがないために、実効性が乏しいものです。現行の「防災対策」の拡充・強化と合わせて、原子力災害対策特別措置法の制定をはじめ、原子力災害対策の独自の確立が求められます。
安全を犠牲に目に見えるコストダウンをめざす超大型新型炉の新増設は、日本の原発の危険を増幅するものであり断固反対します。
これら、日本の原子力政策の安全優先への根本的転換を実行するために、新しい安全規制機関の創設を要求します。
私たちは、この東海集会を契機として、これらの要求にもとづく共同行動を、全国各地でひろげていきたいと考えています。これらの要求は、原子力施設の所在地のみなさん、全国のみなさんと共通する要求であると確信します。思想信条の違いを超え、原発の一般的是非についての意見の違いを超えて、これらの共同行動への参加を心から呼びかけるものです。これら共同行動を前進させることが、日本の原子力政策の抜本的な見直しを実現する力です。ともにがんばりましょう。
一九九七年八月二十四日
「動燃事故と日本の原子力政策を考える」全国抗議集会
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