安全審査の不十分さ指摘・・科技庁委動燃事故で最終報告書(第29回会合)

●{解説}本質的原因は未解明のまま

(97年12月16日付け赤旗)

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◆安全審査の不十分さ指摘・・科技庁委動燃事故で最終報告書

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 動燃(動力炉・核燃料開発事業団)東海再処理工場アスファルト固化処理施設でことし3月に起こった火災・爆発事故を調査している科学技術庁の委員会は12月15日、同庁で第30回会合を開き、最終報告書をまとめました。

 火災の原因については、処理していた廃液の成分が通常と異なっていたうえ、廃液をアスファルトとまぜる際の運転条件が変更されていたため、ドラム缶内でアスファルト固化体の発熱反応が起きて可燃性ガスが発生し、発火したと推定。さらに、最初の消火が不十分だったことから火災が続き、換気系の運転が止まってからは不完全燃焼の形で可燃性ガスが放出され、爆発に至ったとしました。

 このような火災・爆発事故を引き起こした運転管理上の問題点については、動燃がおこなった消火実験などで得られた知見が生かされていなかったことなどをあげ、「研究の成果を積極的に公開し、知識を共有、継承していこうとする姿勢に欠けていた」と動燃を批判。同施設の運転がほぼ全面的に作業請負業者に任ごれていたことにふれ、「動燃職員による施設の運転上の保安責任にかんする認識が薄れ」ていたとしています。

 同施設建設の際におこなわれた安全審査についても一項を設け、火災発生の原因としてあげられたドラム缶内のアスファルトと硝酸塩の発熱の可能性について「記載がなく、審査がなされていない」などとのべ、安全審査の不十分さを指摘しました。

 また、「原子力施設の放射能の閉じ込め機能の喪失という事態は重大なものとして受けとめなければならない」としています。

●[解説}本質的原因は未解明のまま
     

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 同委員会は、事故直後の3月13日に第1回会合を開いて以来約9カ月間、火災・爆発の原因と、事故による被ばくの問題、事故を引き起こした運転管理上の問題点、施設建設の際の安全審査の問題点などを検討してきました。

 最終報告書をまとめるにあたって、各委員から異口同音にもれたのは、「本質的原因調査はまだ終わっていない」ということばでした。火災・爆発原因を具体的に特定することはできなかったからです。

 このため最終報告書は、火災・爆発が起こったアスファルト充てん室内の詳細な調査や、実際のアスファルト固化体の詳細な分析、火災・爆発原因を特定するためのさまざまな試験・解析などが今後必要だとしています。

 こうした課題を残したまま、最終報告書がまとめられたことを理由として、「こうした課題を検討するには時間がかかる」ということがあげられています。しかし、原子力施設を安全にするための検討なら、どんなに時間がかかってもやってもらいたいというのが国民の切なる願いだと思います。

 科学技術庁は、今後、残された課題の検討は動燃の責任でおこなうとしています。しかし、科学技術庁が選んだ委員によって構成されたこの委員会は、結局、事故の根本原因として早くから指摘されていた原子力技術が未成熟であるという問題点や、動燃のような組織をつくり育ててきた科学技術庁や原子力委員会、原子力安全委員会の責任を明らかにできませんでした。第三者機関による徹底した調査・究明が必要なことを示しています。

 最終報告書を早く出すことによって、プルトニウム循環政策推進にお墨付きを与えようという意思が働いているのだとしたら、国民にとってこれほど危険なことはありません。(間宮利夫記者)


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