虚偽報告事件で動燃と副所長ら書類送検・・茨城県警が組織ぐるみと判断
事故調査委が、動燃の事故時の対応は保安規定に照らし不十分と報告
動燃事故で科技庁が反省?〃適切な監視・指導できず〃

(97年7月9と11日付け赤旗)

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◆虚偽報告事件で動燃と副所長ら書類送検・・茨城県警が組織ぐるみと判断

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 動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所(茨城県東海村)の再処理工場火災・爆発事故に絡む虚偽報告事件で、茨城県警は7月10日、法人としての動燃と小山兼二東海事業所副所長(54)ら6人を原子炉等規制法違反(虚偽報告)容疑で水戸地検に書類送検しました。原子力施設への初の家宅捜索にまで発展した同事件で、県警は虚偽報告が東海事業所の組織ぐるみによるものだったと判断しました。水戸地検は送検された幹部らについて虚偽公文書作成罪などでも追及する構えです。

 送検されたのは、小山副所長のほか照沼誠一環境施設部長(50)、緒方義徳技術課長(47)、武田啓二処理第一課長(47)=いずれも当時=と環境施設部の主査2人。調べによると、小山副所長は当時、不在だった所長に代わり現場の最高責任者として事故の処理や作業員の指揮を執っていました。今年3月11日の火災で実際には目視による消火確認がなかったことや、その後の

隠ぺい工作を知りながら黙認。科学技術庁への原子炉等規制法にもとづく事故報告書に、「午前10時22分消火」と虚偽の記載をした疑いです。

 また、照沼部長以下5人は事故発生時、いったん公表した消火確認時刻は訂正できないと判断。作業員にたいし口裏合わせを強要するなど積極的な陳ぺい工作をおこない、虚偽報告書の作成に関与した疑いです。

●「厳粛に受け止め」科技庁、動燃

 動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の虚偽報告事件で、法人としての動燃と東海事業所副所長ら職員6人が10日、書類送検されたことについて、科学技術庁の池田要原子力安全局長は同日記者会見し、「一つの節目を迎えたと考えている。事件の重大さを改めて考えざるを得ない」と語りました。

 同庁は4月に原子炉等規制法違反の罪で動燃と担当課長ら管理職3人を茨城県警に告発しました。書類送検の対象が副所長を含むものとなったことについて、池田局長は「(副所長は)安全の総括責任者で、県警独自の判断があったと考えている。科技庁の調査が不十分だったとは思っていないが、厳粛に受け止めている」とのべました。

 一方、動燃は「書類送検されたことを厳粛に受け止めます」などとする事業団名のコメントを出すにとどまり、内部調査で事件に関与していなかったとした副所長が送検されたことなどについては一切説明はなく、近藤俊幸理事長らの記者会見もおこなわれませんでした。


◆事故調査委が、動燃の事故時の対応は保安規定に照らし不十分と報告

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 科学技術庁の動燃(動力炉・核燃料開発事業団)事故調査委員会は7月10日、同庁内で第

15回会合を開きました。動燃は、事故の際の対応が、法律で守らなければならないとされている保安規定に照らして不十分だったと報告しました。動燃は、事故時の消火活動や事故の原因につながったとざれる運転条件の変更、施設の運転管理などについて報告。

火災発見から消火開始まで約6分間費やしたのは、「実効的な訓練がなされていなかったため」だったとして、「異常時の措置に関して、保安教育を計画的に実施しなければならない」となっている保安規定の精神が生かされていなかったと認めました。

 運転条件の変更という重大な問題が動燃の再処理施設安全専門委員会などの審議に付されてこなかった問題については、こうした内容を審議すべきかどうかが保安規定で明確でなかったとしています。運転管理の面では、過去の海外類似施設での事故事例やアスファルト固化体の燃焼・消火実験などの情報が伝承されておらす、「保安規定の精神に照らすと不十分」だったとしています。

 これにたいして、委員からは、「不十分というが、どうしてそうなったかが明らかになっていない。

(こういうものを聞かされても)なぜそうなったのだという疑問が残る」などの意見が次つぎ出されました。

 この日の会合では、動燃が火災・爆発事故を起こしたアスファルト充てん室内のドラム缶から採取したアスファルト固化体の分析結果についても報告しましたが、炭酸イオン濃度が非常にばらついていたため、委員から「これではデータの信頼性が疑われる」などの意見もでました。

 

●保安規定 

 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(原子炉等規制法)」によって動燃など事業者が定めるよう決められています。

 原子炉等規制法は、事業者とその従業者が保安規定を守らなければならないこ

と、その内容が核燃料物質による災害の防止上十分でない場合、内閣総理大臣と通産大臣は保安規定を認可してはならないこと、災害防止に必要があると認めるときは保安規定の変更を命ずることができると定めています。


◆動燃事故で科技庁が反省?〃適切な監視・指導できず〃

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 科学技術庁は7月7日、同日開かれた動燃改革検討委員会で「科学技術庁の対応」という文書を提出。このなかで、動燃の一連の不祥事をもたらした要因として、科技庁が動燃にたいし「適切な監視・指導ができなかったことに起因すると考えられる」としています。

 同文書は、「科学技術庁が『もんじゅ』事故の教訓を踏まえ、動燃の業務のあり方について抜本的なメスを入れ、改善策を講じていたならば、事故の再発は防ぎ得たのではないかと考えられるなどとのべ、「科学技術庁の責任は重い」としています。

 事故後の対応の不適切さについても言及。「原子力行政が閉鎖的である」との批判にたいして、閉鎖性打破をめざして改善を図ったが、「なお不十分であり、事故を小さなものに見せようとする傾向が払拭されなかった」ことを認めています。

 「改善のための留意点」のなかでは、「事故想定の明確化や一般防災の教訓の反映等を図りつつ、各機関が確実にその役割を発揮しうる体制を整備するなど、地域が一体となった事故防災体制の充実を図る」としています。

 同文書は、検討委員会が提出した「改革の実現に向けて」(素案)の一部として科技庁が提出しましたが、委員会の議論を踏まえたものではないという意見が委員から出され、素案の内容としては大幅に書き直すことになりました。

 素案では、動燃のあいつぐ事故にたいして、政府と科技庁の責任に言及。科技庁はこれまでの問題点をふまえ、みずからの改革を進めるべきだと指摘しています。


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