(97年5月2と9日と11日付け赤旗)
◆爆発直後に撮影していた映像を公開。
・・窓から黒煙、足早の作業員
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は4月30日、東海事業所の火災・爆発事故で、事故があったアスファルト固化処理施設を隣接する再処理工場屋上に設置した核物質防護用の監視カメラが、爆発直後に撮影していた映像を公開しました。映像には吹き飛んだ3階の窓などから黒煙が吹き出し、作業員2人が施設に近づいて放射線測定をした後、足早に帰っていく様子などが生々しく映っていました。
同カメラは核兵器に転用の恐れのある核物質の盗難防止などのため、再処理やプルトニウム加工などの施設に設置されています。カメラがあること自体これまで公表されていませんでした。科学技術庁は「事故原因究明と安全確保を優先し、公開を許可した」
と説明しています。
◆原子力安全委員会で動燃と科技庁に疑問・注文相つぐ
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海再処理工場アスファルト固化処理施設の火災・爆発事故で、科学技術庁は8日、事故原因にかんする中間報告を原子力安全委員会に提出しました。委員から、科技庁や動燃にたいする疑問や注文が出ました。
佐藤一男・委員長代理は、動燃が「もんじゅ」事故後、各施設の手順書を調査し問題ないとしていた問題をとりあげ、「あのとき動燃はどれくらい調べたのか。事故後の対応だけでなく、事故前どうだったのか、事故調査委員会で今後明らかにする必要がある」とのべました。
青木芳郎・委員は、事故で被ばくした人の精神面での影響について発言。「被ばくすると精神的ストレスが大きいことが知られている。どうフォローしているのか。科技庁が放射線医学総合研究所と相談して対応していく必要があるのではないか」と指摘しました。
松原純子・委員は、「(中間報告には)一貫して設置者(動燃)側の緊張感が出て来ない。事故調査委員会でも、(質問されてもすぐに答えられず)宿題ということでやられている」と動燃の姿勢を批判しました。
住田健二・委員は、科技庁が今後東海地区に運転管理専門官を常駐させることを検討するとしている点について、全体を管理するには体制を十分検討する必要があると強調しました。
都甲泰正・委員長が、次回の委員会でこの問題にたいする委員長談話を出すことを明らかにしました。
◆実験ビデオ動燃が公表。・・〃消火〃後また発火、実験の教訓生かされず
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は、9日、火災・爆発事故を起こした東海再処理工場アスファルト固化処理施設が運転を開始する前の82年に実施したアスファルト固化体の燃焼・消火実験の際、撮影したビデオを公表しました。ビデオには、燃えた固化体が水をかけることによって火がいったん消えても、すぐに再発火した様子が記録されています。
実験は八二年八月、埼玉県内の防災設備会社の研究室でおこなわれました。アスファルトと硝酸ナトリウムなど廃液処理に使用する薬品をまぜた固化体をつめたドラム缶に火をつけると、三分後に火柱があがりはじめ、その高さは16分後、約4メートルに達しました。
スプリンクラーで水をかけたところ、水をかけはじめて十五秒で火が消えましたが、その後も五分間水をかけつづけました。ところが、水をとめて三十秒後にはふたたび発火しました。
実験報告書は、この結果にもとづく所見として、「許容される水量をできるだけ長時間放水することが望ましい」としていました。しかし、動燃の「消火マニュアル」には、このことが明記されず、今回の事故では、火災発生から数分たって約1分間水をかけただけだったことが明らかになっています。実験の教訓はまったく生かされなかったことがあらためて浮き彫りになりました。
戻る