ベルギー火災事故の報告書、           動燃入手は事故後だった。
アスファルトと硝酸塩混合物          一一原研が予備試験・・・200度以下でも発熱
動燃の実験報告書の存在、科技庁知らなかった  参院特別委一一阿部幸代議員が追及

(97年5月17,22日付け赤旗)                  

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◆ベルギー火災事故の報告書、          動燃入手は事故後だった。

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 科学技術庁の動燃(動力炉核燃料開発事業団)事故調査委員会(金川昭・主査)の第9回会合が5月23日、同庁内で開かれました。動燃は、ベルギーのアスファルト固化処理施設で81年に今回とよく似た火災事故が発生したときまとめられた報告書の一部を提出しましたが、この報告書を動燃が入手したのは事故後だったことを明らかにしました。

 ベルギーにあるアスファルト固化処理施設ユーロビチウムでは、81年12月に、アスファルト混合物を充てんした後、充てん室で自然冷却中だった3本のドラム缶がつぎつぎ発火する事故が起こりました。動燃が提出したベルギーの報告書は、油分や廃液中の沈殿物などがまざっていると、アスファルト固化体内部で発熱反応が起きて可燃性のガスが発生し、自然発火する可能性があることを明らかにしています。

 この報告書の存在を知り、入手したのはいつかという事故調査委員会の質問に、動燃は、「簡単な内容は(以前から)知っていた」が、報告書を入手したのは事故後だったと説明しました。

 同報告書以外に、74年に動燃がおこなったアスファルト固化処理試験の際、アスファルトと硝酸ナトリウムの混合物から自然発火していたことや、その原因分析などを記載した資料と、84年に今回と同じ施設で発生した発煙事故についてまとめた資料を事故調査委員会に提出、一般に公開したことを明らかにしました。

 金川主査は、「動燃の資料が公開されているのか、公開されているならいつからなのか、また公開前はどういう扱いがされていたかは、火災から爆発に至る(経過の解明にかんして)重要な部分」と指摘し、次回会合で明らかにするよう動燃に求めました。


◆アスファルトと硝酸塩混合物          一一原研が予備試験・・・200度以下でも発熱

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 5月21日の科技庁動燃事故調査委員会第9回会合には、日本原子力研究所が事故原因究明にむけて実施した予備試験の結果が報告され、アスファルト混合物が再処理の工程で使われる有機物や金属の硝酸塩を含んでいた場合、200度以下でも発熱することが明らかになりました。

 同研究所は、動燃が調整したアスファルトと硝酸塩などの混合物を加熱するとどのような化学反応が起こるか、有機物やさまざまな金属の硝酸塩を加えた場合も含めて検討しました。その結果、再処理の工程で使われるトリブチルリン酸などの有機物がまじっている場合や、銀、セシウム、セリウム、ジルコニウムという金属の硝酸塩がまじっている場合には、200数十度で発熱反応が起こることがわかりました。さらに、トリブチルリン酸などの有機物とこれらの金属の硝酸塩がいっっしょにまじっていると200度以下でも発熱反応が起こることが明らかになりました。同研究所では、これらの反応が実際に火災に至る原因になるかどうかさらに詳しい検討を進めるとしています。

 動燃のアスファルト固化処理施設では、アスフアルトと放射性廃液を約200度で加熱し混合していました。



◆動燃の実験報告書の存在、科技庁知らなかった  参院特別委一一阿部幸代議員が追及

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 科学技術庁は、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が82年にアスファルト固化処理施設の火災を想定しておこなった実験の報告書があることを最近まで知らなかったことが、明らかになりました。

 5月16日に開かれた参院科学技術特別委員会で日本共産党の阿部幸代議員が追及してわかりました。

動燃の実験によると、アスファルト固化体で火災が起こった場合、水をかける量が少ないと再発火することがわかっていました。そのため、実験結果の報告書では、火災発生時には、できるだけ多量の水をかける必要があると指摘していました。しかし、動燃の「消火マニュアル」にはこのことが記載されず、今回の火災では、発見から数分たって約一分間水をかけただけでした。

 阿部議員は、動燃の実験結果は重要な内容で、動燃の監督・規制官庁である科技庁は当然知つていたのではないかとただしました。同庁の池田原子力安全局長は、「動燃事業団の中において技術資料として登録されていなかった」と答弁。担当課で保管されていたために動燃事業団の中でも周知徹底されず、科技庁への報告も公表もされなかったとのべました。

 阿部議員は、このような実験や報告書について当然知っているべきだと、科技庁の責任を追及。今回の事故で再処理工場の危険性が明らかになったとして、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場について安全審査のやり直しを求めるとともに、原子力長期計画や核燃料リサイクルの見直しを要求しました。

 近岡科技庁長官は、「必要に応じて長期計画の見直しをも視野に入れて適切な政策展開をはかっていく」と答えました。

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