◆動燃職員が語る職場の実態
一事故当日、何も知らされず・・・。
進む人員削減と下請け化。「もんじゅ」事故後も変わらない体質 

(97年3月22日付け赤旗)                  

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 茨城県東海村の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の核燃料再処理工場で起きた火災・爆発にともなう放射能放出事故は、政府の原子力政策の安全軽視の無謀さ、無責任さを浮き彫りにしました。動燃はなぜ事故を防げなかったのか、動燃など原子力施設に働く人たちが話しあいました。

◆「安全」は建前でしか


●、А県や村にたいする事故通報が遅れたことが問題になっているが、職員への通報も遅れに遅れた。事故の経過を知らせるニュースが所内で配られたのは、事故発生から2日もたった13日夕方になってからだった。大部分の職員は家に帰るまで事故を知らなかった。

●B、社内報の表紙に「安全に徹する動燃」「開かれた動燃」「地元重視の動燃」という3つのスローカンが書かれている。今回の事故は、それが建前でしかなかったことを示す結果となった。

●C、放射能をあつかう以上、たえず危険をともない、起こしてはいけないレベルの事故がある。その点で、建物が破壊され、37人が被ばくしたわけで、人体や環境への影でが小さいからいいというものではない。もともと起こしてはならない事故だ。

●D、当局は「漏れた放射能は低レベル」といっているが、プルトニウムなどを含んでおり、危険性はけっして低くないはずだ。事故を小さく見せようとしているとしか思えない。

◆そのとき構内放送は

●А、二月にあった総合防災訓練では、構内放送を使つて全職員に事故発生から消防班の集合、鎮火の確認まで細かく情報が伝えられた。ところが、今回は11日午前の火災について放送はなく、夜八時の爆発事故も消防班の集合を指示する構内放送があっただけで、その後の経過報告はなかった。

●D、当日日勤だったが、火災事故のことは、夜勤で出勤してきた同僚から「昼のテレビニュースでやっていた」と話してくれて、初めて知った。
 夜の爆発事故についても、多くの職員はテレビや知人からの電話で知った。緊急連絡網は使われなかった。

●Е、「事故発生以降、同僚は事故現場にかり出され、へとへとになっている。ところが、全職員の英知を結集して努力すべき」の非常時に、日ごろ安全軽視の姿勢を批判し、改善を求めている職員は、この仕事からはずしている。

●B事故を内々で処理しようという体質とつながっている。しかも、事故が発覚すると、今度は放射能が事故のあったアスファルト固化処理施設以外の二施設にも拡散していた事実を知っていながら公表しなかったり、放出された放射能濃度を何回も訂正するなど、被害を小さく見せようとした。

●А、一昨年の高速増殖炉「もんじゅ」の事故で間題になった当局の〃事故隠し〃の姿勢は、残念だが変わっていない。「もんじゅ」の事故のあと、・「自己改革運動」と称して、多くの職員が熱心に問題点を討論したが、その内容も公表されず、まったく反映されていない。

●C、当局は、国の原子力政策の問題点を指摘したり、当局の安全軽視の姿勢を批判する職員にたいして、「事業の妨害者」「反原子力」としッテルをはり、現場から排除することをおこなってきた。そのため、職場には国の政策や当局への批判はいっさい許されないという空気がある。

●D,動燃当局に都合の悪い研究結果は、あれこれ理由をつけて発表させないということもある。今回の事故とその後の対応には、こうした非民主的な体質が色濃く反映していると思うね。

●А、そんななかで、動燃当局や国の〃絶対安全〃の宣伝に、職員も「大丈夫じゃないか」とマインドコントロールされていた面もあったんじゃないか。
 下請けまかせでE今回の事故を考える場合、国の人員抑制政策とこれを安易に受け入れてきた当局によって、下請け化が推進されてきたことに、もつと注目してほしい。

●А、動燃では、最初は食堂や清掃部門から外部委託化がはじまリ、八〇年前後に核燃料再処理作業にどんどん協力会社(下請け会社)の従業員が入ってきた。事故を起こした部門では、動燃職員の作業員は九十一人で、協力会社の作業員は、その三倍近い二百六十人もいるようだね。
B火災発生のとき、動燃職員の班長は休んでいて、下請け従業員が別の動燃職員の指示をあおいで、消火活動にあたったという。班長に代わって、現場の安全に全責任をもつ動燃職員が配置されていなかったのには、驚いた。

●C、下請け化の一方で、動燃職員は数年「」とに人事異動でころころと変えられる。そのため、職員のなかで技術のノウハウや管理経験が十分蓄積されない状況が生まれている。しかも権限の範囲もあいまいだ。だから、火災発生時に、かりに動燃職員がいたとしても、適切な指示が出せたかどうか疑問だ。

●D、〃安全神話〃にしがみついて、非常特に対応できないほど人員削減を推し進めてきた結果だ。人は増えないが、緊張を強いられる仕事は増えているもとで、動燃では在職中に死亡する人が増えていて、この三年間で突然死が六件、自殺一件、病死三件にもなっている。
第三者機関での調査をE「もんじゆ」事故につづく今回の事故は、原発から出る使用すみ核燃料の再利用という国の核燃料リサイクル政策の根幹を揺るがすものだ。いま、動燃の存在そのものが問われており、職場の空気は重い。職員がこれからの仕事に展望を見いだすうえでも、第三者機関による徹底した調査を期待したい。

●А、社内報の「安全に徹する動燃」「開かれた動燃」「地元重視の動燃」を、名実ともに職場のすみずみに貫徹する努力が求められている。
Dぜひ住民の監視運動を強めてほしいと思うね。原子力についてよく学習し、根拠のない安全宣伝にごまかされない住民運動を恒常的にやってほしい。

●C、二十二日に東海村で県民抗議集会もあるが、ぜひ成功させてほしい。

●B、同感だ。原子力施設に働く者にとっても、住民にとっても、生命と安全が最優先される運営と監視・防災体制の確立は、二度と事故をおこさせない保証だ。住民とともに職場の内と外で、この声と運動を強めていこう。