◆火災・爆発の動燃アスファルト固化施設て
どんな施設なの?
(97年3月19日付け赤旗)
◆火災・爆発の動燃アスファルト固化施設てどんな施設なの?
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の再処理工場(茨城県東海村)で11日発生した火災と爆発の原困は、依然明らかになっていません。事故を起こしたアスファルト固化処理施設とはどんな施設はのでしょうか。

●再処理
アスファルト固化処理施設は再処理工程の最後の段階に相当します。
再処理とは、原子力発電で使用済みとなった核燃料からウランとプルトニウムを取り出す工程です(図の上部)。使用済み燃料は、核分裂性ウラン約1%、プルトニウム約1%、放射性のウランよりも重い元素(超ウラン元素)と核分裂生成物を2〜3%含みます。
この超ウラン元素と核分裂生成物が〃死の灰〃です。ウランとプルトニウムを取り出したあとには、きわめて放射能の強い廃液が残り、この処理も再処理工場でおこなわれます。
使用済み燃料は、一定期間貯蔵冷却した後、細かくせん断、溶解槽に入れて、硝酸で溶かします。この溶液を有機溶媒と混ぜ合わせます。ウランとプルトニウムは有機溶媒によくとけるため、あまり溶けない死の灰と分離されます。一方、溶解槽で溶け残った燃料被覆管は高放射性固体廃棄物として貯蔵されることになります。
さらに、ウランとプルトニウムはそれぞれ分離・精製されます。ウランを含む溶液は、濃縮・脱硝工程をへてウラン製品に、プルトニウムを含む溶液は濃縮されプルトニウム製品となります。
このような抽出方法をピューレックス法といいます。
●低放射性廃液
ウラン、プルトニウムと分離された死の灰を含む溶液は、希釈された後、廃液の蒸発缶へ送られます。蒸発缶で濃縮されたものが高放射性廃液として後にガラス固化されます。
蒸発したものは、さらに酸回収蒸発工程、酸回収精留工程にまわされ、酸を回収した残りかすが廃棄物処理場へまわされます。ここで出た廃液を「低放射性廃液」としています。
「低」とはいってもプルトニウムなどを含んでおり、取り扱いには注意を要します。外国では中放射性廃液として取り扱っているところもあります。
再処理工程は、複雑な化学的処理をおこなうため、各工程で廃液やガスが発生します。廃棄物処理場へは、分析廃液や除染廃液、ガス洗浄廃液なども集められてきます。
これらの廃液は、蒸発や凝集沈殿により、濃縮してアスファルト固化工程へ送られます。
●アスファルト固化
廃棄物処理場で処理された濃縮廃液の放射能は、1立方メートルあたり10億〜1兆べクレル(ベクレルは放射能を表す単位で、1秒間に1個の原子核が崩壊することを意味します)。液体のままでは扱いにくいので固化ます。この際、セメントなどと比べ容積が5分の1程度ですむこと、大量の処理をおこなえば経済的に有利などの理由でアスファルトが使われています。しかし、アスファルトには火災の危険がつきまといます。硝酸化合物のような酸化性の物質を封入する場合、火災の危険が大きいと指摘されています。
アスファルトと濃縮廃液は、エクストルーダという機械で混ぜ合わせながら蒸気で160〜200度に加熱し排出管へ送ります。そこからターンテーブル上のドラム缶に自動的に詰められます。熟せるれたアスファルトは水分が蒸発し徐々に冷めて固まっていきます。(図の下部)
動燃によるとドラム缶(200リットル)1個あたりの放射能は、340億べクレル程度(アルファ線、ベータ線、ガンマ線の総計)になります。
同再処理工場の貯蔵施設には現在、アスファルト固化体のつまったドラム缶約3万本が保管されています。