放射性物質の放出濃度、数百倍だった。      
放射性廃液や固化体にプルトニウム含有
   一一日本共産党調査団に動燃が回答。

主張一一動燃の根本的欠陥さらした爆発事故。


(97年3月16日付け赤旗)                  

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◆放射性物質の放出濃度、数百倍だった。   戻る

動燃また「訂正」発表。

 動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所(茨城県東海村)再処理工場の放射性廃液アスファルト固化処理施設で起きた火災・爆発事故で、動燃は15日、12日午前に発表した第一付属排気筒から放出した放射性物質の濃度評価を低く見積もっていたと訂正発表しました。
 それによると、12日午前零時20分の時点で評価した環境中への放射性物質の平均放出濃度を、最大で数100分の1低く計算していたといいます。ストロンチウム90などの放射性物質の放出濃度は、基準(周辺監視区域外の空気中の濃度限
度)の20倍に達しました。
 12日午前2時50分に排気筒から回収したろ紙と活性炭を測定した結果、平
常値を10倍も上回るプルトニウムが検出されたことも明らかになりました。低レベル廃棄物にはアルファ線を出すプルトニウムなど重い元素の放射性同位体が含まれているため、爆発で飛び散った可能性があります。アルファ線の測定値も当初の値より20倍以上高く修正されました。

◆放射性廃液や固化体にプルトニウム含有

     一一日本共産党調査団に動燃が回答   戻る

 動燃・再処理工場の爆発事故で、放射性廃液やアスファルト固化体のなかにプルトニウムが含まれていることが14日明らかになりました。13日に現場に緊急調査に入った日本共産党国会議員団の動燃東海事業所爆発火災事故調査団(団長・吉井英勝衆院議員)の質問に動燃が回答したもの。
 プルトニウム(アメリシウムも含む)の濃度は、放射性廃液と固化体ともほぼ同量。一立方メートルあたり約28億べクレルで、放射能全体の約4%をしめていました。



◆主張一一動燃の根本的欠陥さらした爆発事故 戻る

 動燃の核燃料再処理工場で11日発生した火災・爆発事故は、日時の経過とともに事故の深刻さ、施設の運転と安全規制にかかわる動燃・行政機関の責任の重大さが明らかになっています。

 日本共産党国会議員団の事故調査団(団長・吉井英勝衆院議員)は事故発生翌々日の13日、動燃(動力炉・核燃料開発事業団)東海事業所の事故現場である再処理工場・アスファルト固化処理施設を訪れ、調査に当たりました。この段階でも、爆発で吹き飛んだシャッター、窓などを、べニア板、ビニールなどで外側から密封して、施設を外部と遮断する初歩的作業さえ、完了までなお日時を要する事態でした。
放射能に汚染された施設を風が吹き抜けているということです。周辺住民に大きな不安を呼び起こしています。


「もんじゅ」の教訓どこへ

 爆発時に、プルトニウム、ウランなどの放射能が放出され、これまで、従業員112人中37人の被ばくが確認されています。被ばく者のうち動燃職員は4人で、多くは出向者、下請関係者です。
 今回の事故で、痛感させられるのは、高速増殖炉「もんじゅ」事故の教訓がまったく生かされていないということです。「もんじゆ」事故では、災害発生時の初動対応のまずさやビデオ隠しなどが大きな問題になりました。
 今回も、消火確認も怠るなど火災発生時の対応のまずさ、爆発が起きたときの不適切な対応による多数の被ばく者の発生など初動対応のでたらめさ、無責任さが大間題になっています。
 情報提供の問題でも、火災・爆発時刻を発表後に訂正する、火災・爆発事故で排気筒のモニターが外部への放射能漏れを感知していたのに5時間も見逃し、8時間もの間「放射能漏れはない」と誤った発表をくりかえすといった具合です。爆発による放射能汚染が当初発表のアスファルト固化処理施設などのほか2つの施設に拡散していた事実を早くから確認しながら14日まで公表しなかったり、放出された放射能の濃度をなん度も訂正するなど、真相を隠し事故を小さくみせる策動さえしています。
 県、村、消防署にたいする事故の通報も大幅に遅れました。
 原子力分野の最先端にふさわしく研究者、技術者の英知を集め、安全を最
優先して研究開発をすすめるという、本来あるべき姿はみじんも見られません。動燃の根本的欠陥と体質をさらしたものであり、原子力施設としての管理・運営の能力とその資格が根底から問われています。
 再処理工場は、原発の使用済み燃料を切断・溶解して、プルトニウム、ウラン、核分裂生成物質(高レベル放射性廃棄物)に分離・抽出する施設です。
火災・爆発が起きたアスファルト固化施設は、この再処理に使われた溶剤(低レベル放射性廃液)の水分を蒸発させ、残存物をアスファルトで固め、ドラム缶につめる施設です。
 この施設については建設時から、専門家から火災が起きやすいとの指摘がありました。にもかかわらず、勤燃は、「火災が起こるとは考えられないが、万一に備えて、火災報知器、消火設備などを設けて、重大な事故に至らないようにする」との「申請書」を提出し、「安全審査」では、これが追認されました。今回の事故は、「安全審査」で「考えられない」とされたことが現実に起こったことを示し、しかも、「万一」の「備え」も機能しなかったことを示しています。「安全審査」体制の根幹を問う重大な事故です。
 「もんじゅ」事故では、事故の直接の当事者である動燃、科学技術庁、原子力安全委員会による調査しかおこなわれていません。これでは、公正性と客観性が保障された事故調査とはいえず、真の事故原因を解明できないことは明らかです。事故の教訓が生かされなかったのも当然の帰結です。
 今回の事故については事故原因の解明はもとより、開発体制、安全審査体制をふくめ第三者機関による徹底した調査をおこない、その結果を公表することが必要です。関係住民や自治体の納得をえられるまで再処理施設の運転を中止するのは当然です。


「核燃料リサイクル」見直せ

日本共産党は、1978年に固化処理施設の建設計画が問題になった当初から、再処理技術の未熟さや危険性についてきびしく警告し、設置反対を主張してきました。今回の事故は、その警告が現実になったものです。高速増殖炉「もんじゅ」の事故につづいて、プルトニウム循環方式を軸とする政府の原子力政策がいかに無謀で無責任かをあらためて証明しました。
 破たんが明日になった「核燃料リサイクル」政策をいまこそ根本的に再検討することをつよく要求します。