動燃火災事故
放射能もれ警報は、火災発生7分後だったのに退避指示遅れ被ばく
◆放射能もれ警報は、火災発生7分後だったのに退避指示遅れ被ばく
動燃・再処理工場で11日午前10時6分に発生した火災の7分後に、放射線管理区域外の作業室で放射能もれの警報が鳴っていたことが14日明らかになりました。動燃は、放射能もれをアスファルト固化施設や隣接する建物(Z施設)の作業者や火災の通報でかけつけた消防署員にいっさい隠し、火災による退避指示をだしたのは警報から1時間以上もたってからでした。労働省は、労働安全衛生法の電離放射線防止規則(電離別)に違反する疑いがあるとみています。
動燃によると、アスファルト固化施設で放射能漏れの警報がなったのは同日10時13分。この警報で2人が屋上へ退避しました。しかし、動燃が、アスファルト固化施設にいた作業員(計23人には放射能もれを隠し、19分後の同32分に火災を理由に、アスファルト固化施設の隣のz施設への退避指示をだしました。Z施設にいた36人の作業員や消防署員4人にも放射能もれを知らせず、退避命令をだしたのは11時20分ごろでした。
動燃によると37人の被ばく者のうち27人がZ施設の作業員でアスフファルト固化施設の作業員も、Z施設で被ばくした可能性があるとしています。
前日の発表で動燃は「警報は鳴らなかった」としていました。
労働省の栄川勝義・中央労働衛生専門官は「放射能もれで被ばくが予想される場合、電離則42条でさだめられた退避措置をとらなければならない。1カ月以下の懲役、または50万円以下の罰金がかけられる。11日夜から立ち入り調査しているが動燃の説明がくるくるかわり、事実関係の確認をおこなっていると話しています。
◆放射線記録を5時間見ず。最初の火災後「影響なし」と判断。
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動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所(茨城県東海村)の再処理工場の低レベル放射性廃液アスフファルト固化処理施設で11日に起きた火災・爆発事故で、動燃は13日、最初の火災発生から約5時閲後の11日午後3時ごろまで、施設の排気筒に設置した放射線検知器の測定記録を確認していなかったことを明らかにしました。
検知器の測定記録によると、火災直後に放射性物質のヨウ素129の値がやや高くなっていましたが、記録を見ないまま正午ごろに茨城県や科学技術庁には「環境への影響はない」と連絡していました。さらりに、午後3時ごろに記録が高い値を示していることを発見し、放射能が外部に放出したことを確認したにもかかわらず、東京の本社や科技庁への報告はさらに1時間後の午後4時ごろでした。動燃は「(放射線量が上がると鳴る)警報が鳴らなかったため環境への大きな影響はないと判断したが、正確でなかった。現場の人手が足りず混乱した」と説明していました。
また、火災発生直後に作業確認用のテレビカメラでアスファルト充てん室内に煙が広がったことを制御室から確認していたことどが、13日に初めて本社に伝えられました。
本社の担当者は当初、「室内にカメラはなかった」と誤解して説明しており、動燃社内の連絡体制のまずさがまた浮き彫りになりました。
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◆アスフファルト火災の危険、専門書の指摘あった。
硝酸化合物のような酸化性物質を封入するのに用いる場合、引火天250度は低すぎる? 先頭に戻る
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所(茨城県東海村)にある再処理工場で11日に起きた火災と爆発事故の原困は明らかになっていませんが、アスフファルト固化処理施設では火災の危険が高いことが専門書で指摘されていたことがわかりました。使用しているアスファルトの質や、火災・爆発防止対策に問題がなかったか、今後問われることになりそつです。
『燃料再処理と放射性廃棄物管理の化学工学』(「原子力化学工学」第4分冊、83年12月日刊工業新聞社発行)によると、セメント固化にくらべ容積を大幅に減らせるなどの理由で、アスフアルトが中・低しベルの放射性廃棄物の固化に利用されています。ところが、その「主な欠点の一つ」として、「特に硝酸化合物のような酸化性物質を封入するのに用いる場合、火災の危険があることである」と指摘。「この問題は、引火点の高い(セ氏290度以上)アスフファルトを用いることにより防ぐことができる」と説明しています。
動燃広報室によると、同固化処理施設で使用しているアスフファルトの引火点は250度だといいます。
同書はまた、ほかに考慮すへき問題として、「アスフファルトの耐放射線性」をあげ、ある種の放射線分解の結果、水素、メタン、二酸化炭素、およびエチレンが放出されることがある」と解説しています。
同固化処理施設では、84年5月にも、火災が起きています。
〔注〕この専門書は、米国の原子力学者三氏の著書で清瀬量平氏の訳です。