総合エネルギー調査会(通産相の諮問機関)の需給部会は6月11日、2010年度までの「長期エネルギー需給見通し」を柱とする報告書をまとめました。このなかで、同年度までに原発を20基程度新設する必要があるとしています。
同報告は、昨年12月の地球温暖化防止京都会議で義務付けられた二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減目標を達成するには原油換算で5千6百万キロリットルの省エネ対策を進める必要があると指摘。現行の対策では、2010年度のエネルギー消費は96年度比16%増加する見通しだが、自動車の燃費改善や家電の省電力化、省エネ努力を中規模工場にも求めるなど徹底した対策を講じれば、同1・8%増の4億キロリットル、年率換算で0・1%増と、ほぼ横ばいにできると試算しています。
●国民、世界に無責任な態度・・・解説
原発事故にたいする国民の不安は大きく、新・増設にはどこでも大きな反対運動が起きています。また、「トイレ無きマンション」といわれるように、使用済み核燃料の処理・処分はまったくいきづまっています。CO2削減を口実に原発の大増設をうちだし、それができなければCO2削減もできないというのは、国民にたいしても、世界にたいしても、まったく無責任な態度です。
◆使用済み核燃料「原発の外で貯蔵」勧告・・総合エネルギー調査会が報告。(98/6/13赤旗)
総合エネルギー調査会(通産相の諮問機関)原子力部会は6月11日、原子力発電所の使用済み核燃料を一時的に保管するため、原発の敷地内に限定されている貯蔵施設を、発電所以外にも設置できるよう勧告した中間報告をまとめました。通産省・資源エネルギー庁はこれを受け、次期通常国会に原子炉等規制法など関連法改正案を提出します。
現在、使用済み核燃料は、再処理のために運び出すまでの間、原発の敷地内に保管することになっています。しかし、敷地内の保管場所はすでに満杯状態になっているところも出てきています。
報告は、貯蔵場の新たな提供者として電力会社のほか、倉庫業界や自治体の出資する第三セクターなどが見込まれるとしています。
◆プルトニウムの利用政策やめよ・・・日本弁護士連合会が決議。(98/5/27赤旗)
日本弁護士連合会はこのほど、青森市で開いた定期総会で、「日本のプルトニウム政策及びエネルギー政策に関する決議」を採択しました。
同連合会はこれまでも、原発の使用済み核燃料の再処理や、再処理で取り出したプルトニウムを核燃料として利用する「核燃料サイクル」にたいして、反対を表明してきました。
決議は、動燃(動力炉・核燃料開発事業団)の高速増殖炉「もんじゅ」の事故(95年12月)と東海再処理工場の火災爆発事故(97年3月)は、再処理・プルトニウム利用の問題点を実証するものだと指摘。国にたいし、「原子力に偏重したエネルギー政策を改め、エネルギー政策の立案過程における民主化・透明化をほかり、安全性の確保、情報公開、国民的討議を可能とするエネルギー政策基本法を制定するよう」提言しています。
さらに、新しいエネルギー政策の具体的な内容として、@使用済み燃料の再処理をやめ、高速増殖炉・プルサーマルなどプルトニウムをエネルギー源とする政策を放棄するA原子力発電にたいする財政援助を原則として停止し、放射性廃棄物対策など環境面の予算に限定するBエネルギーの効率化・炭素税の導入などエネルギー消費削減策に積極的にとりくむとともに、再生可能エネルギーの研究・開発のために公的助成をおこない、電力買い取り義務の制度化など、その実用化のため最大限の努力をするーーを求めています。