動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の名称変更などにかんする「原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案」の質疑が四月二十八日、参院文教・科学委員会で始まりました。
日本共産党の阿部幸代議員は、高速増殖炉「もんじゅ」とアスファルト固化処理施設の事故にかんしておこなわれた調査について質問。これまでの調査が動燃と科学技術庁の身内によるものだけで、原因の究明が不十分なだけでなく、過去におこなわれた安全審査の問題点に手もつけられていないと批判しました。
これにたいし、科学技術庁の池田原子力安全局長は、さらに調査が必要なことを認めたうえで、「批判をいただかないようとりくんでいきたい」と答えました。
阿部議員は、安全審査体制と安全規制の抜本改革が必要だと強調。米国の原子力規制委員会などを例に、原子力安全委員会を行政から独立した機関として強い権限と独自のスタッフをもつ組織に改革するよう求めました。
阿部議員は動燃の非民主的体質についても質問。これまで、雑誌への執筆を理由に処分を受けた例が二件あったことなどをあげて、職員が自由にものをいえない状況の改善の必要性を訴えました。
これにたいし、谷垣科学技術庁長官は、「疑問を感じたら素直に出せるようにしないといけないと思う。職員の意見を活発にくみあげるような組織にする必要がある」などと答えました。
・・・参院防衛委で立木議員が追求(98/4/23)
立木洋参院議員は4月23日の外交・防衛委員会で、新日英原子力協定の締結にあたって安全性、環境汚染、経済性など核燃料リサイクル政策の持つ問題点を放置したままひきつづきイギリスへの使用ずみ核燃料再処理委託をおこなうことは許されないと政府を追及しました(4月24日承認)。
立木議員は新日英原子力協定の締結によってイギリスへの使用ずみ核燃料再処理委託が継続されること、この継続の背景には政府の核燃料リサイクル政策があると指摘、核燃料リサイクル政策のうち、政府が技術的に確立していると考えているのはどの分野かとただしました。
科学技術庁の今村努審議官は軽水炉の使用ずみ核燃料再処理は確立したと考えている、高速増殖炉については技術開発に向け課題がある、高しベル廃棄物の最終処分については今後技術
を確立するために努力すべきだと考えているとのべ、高レベル廃棄物の最終処分場については見通しは示せませんでした。
立木議員は政府が確立しているとのべた再処理工場はフランスやイギリスで深刻な環境汚染を引き起こしイギリスでは悪魔の施設とまで呼ばれていることを紹介し、このような問題を放置すべきではないと主張しました。小渕外相は「問題を起こすことのないよう見守つていく」とのべました。
さらに立木議員は高レベル廃棄物の最終処分計画が順調に進んでいる国はないこと、経済的にも技術的にも見通しがたたず欧米諸国が高速増殖炉から撤退したことを指摘。核燃料リサイクル政策の抜本的な見直しを要求しました。
衆議院科学技術委員会は四月十日、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の名称を核燃料サイクル開発機構に変更することなどを内容とする「原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案」を日本共産党以外の各会派の賛成で可決しました。
採決に先立って、日本共産党の吉井英勝議員が反対討論をおこないました。
吉井議員は、同法案の内容が、動燃の単なる衣替えにすぎず、動燃をめぐる業界と行政のなれあい、総理の監督責任などを問わずにすまそうとしていることや、動燃の衣替えで国民の間に大きく広がった原子力政策・行政への不信、批判をかわし、核燃料サイクル政策を継続・推進しようとしていることを批判。動燃問題を教訓に安全確保、公開、民主、自主の根本原則にたちかえり、プルトニウム循環方式を軸とした核燃料サイクル政策を根本的に見直すことこそ必要と強調しました。
採決の前におこなわれた委員会審議では、動燃が岐阜県東濃地域に計画している超深地層研究所計画について、吉井議員が高レベル廃棄物を未来永却(えいごう)持ち込むことはないかと質問。科学技術庁の加藤原子力局長は「そのとおり、持ち込まない」と答えました。
また、これまで動燃では、職員が自由にものをいうことができない状況があり、それが一連の事故や隠ぺい工作に結びついたのではないかと質問。これにたいし、動燃の近藤理事長は、「もっと自由はつらつに進めていけるようにしたい」と答えました。
橋本首相は、動燃が今回の事態を招いた理由について、経営の不在があったなどと主張。吉井議員は動燃事業団法からも最高責任者であるみずからの責任をどう考えているのかときびしく指摘しました。
◆プルトニウムの再処理問題で国民の安全を守る安全審査の強化が必要
動燃(動力炉・核燃料開発事業団)改革法案を審議している衆院科学技術委員会で四月三日、吉井英勝議員はプルトニウムリサイクル技術が未確立であることを明らかにしました。法案では動燃を改組して核燃料サイクル開発機構とすることになっていますが、中心的業務は、使用済み核燃料を再処理して得られるプルトニウムを核燃料化し、さらに再処理を繰り返すプルトニウムリサイクルと、高速増殖炉の開発です。
吉井議員は、核燃料の再処理を繰り返すことでどんな問題が出てくるかと質問。科学技術庁の加藤康宏原子力部長は「中性子の発生、アルファ放射能の量が増えて取り扱いが難しくなる」「溶けにくい成分が増える」のでこれらに対応した処理を研究開発中であると答弁。プルトニウムリサイクルの再処理技術が未確立であることを認めました。
動燃東海再処理施設火災爆発事故の調査委員会報告で安全審査の不十分さが指摘されていることについて、都甲泰正原子力安全委員会委員長は「安全審査後に得られた知見が適切に反映されなかったことが事故の大きな原因」「設置者まかせではいかんと気づ」いたなど、従来の姿勢への反省をのべました。
吉井議員はさらに、国民の安全を守るために、安全委員会の権限、体制を確保するための政治的決断が必要だと追及。谷垣禎一科学技術庁長官は、行革問題にも触れつつ、「もうすこし詰めていく課題だ」と答弁しました。
◆原子力政策の根本に立ち返った検討を。動燃改革法案審議始まる
・・・衆院科学委で吉井英勝議員が要求(98/4/1)
衆議院科学技術委員会で四月一日、動燃(動力炉・核燃料開発事業団)改革のための法案の審議が始まりました。日本共産党から吉井英勝議員が質問にたち、原子力政策の根本にたち返った検討が必要であると提起しました。
吉井議員は、法案(原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案)で示されている新法人(核燃料サイクル研究開発機構)は動燃の名称が変わっただけで、高速増殖炉とその燃料の開発など基幹的な業務は変わっていないことを指摘。高速増殖炉「もんじゅ」の事故は、日本の原子力研究を大本に立ち返って考える機会だったと強調し、原点に立ち戻った基礎的な研究こそが必要ではないかと政府の姿勢をただしました。
情報公開の問題に関連して吉井議員は、「もんじゅ」の申請書の約三割に当たる一万ページが、丸々空白である問題を指摘し、全面的な公開を求めました。これにたいし、近藤俊幸・動燃理事長は、同文書の非公開部分を一%末満までにして近く公開すると答弁しました。
・・・衆院外務委員会で松本善明議員が質問(98/4/1)
日英原子力協定について、四月一日の衆院外務委員会で松本善明議員が質問しました。日本は同協定にもとづいて、原発で燃やした使用済み核燃料の再処理をイギリスに委託。再処理で取り出したプルトニウムと、その際発生する大量の高レベル放射性廃棄物が日本に返還されることになります。
日本はフランスにも再処理を委託しており、先月、フランスから高レベル廃棄物が青森県六ヶ所村に運ばれてきました。その際、県知事が輸送船の接岸を拒否したことについて松本議員は、県民の根強い不信と不安があるからだと指摘。また、原発の大規模立地県である福島、新潟、福井三県の知事が、核燃料リサイクル政策について懸念を表明していることにもふれ、同政策は完全にいきづまっていると批判しました。
松本議員はまた、米国の最終処分場での汚染事故や立地場所をめぐっての訴訟などの例をあげ、「他国の最終処分場で順調にいっているところはあるか」と質問。外務省の阿部信泰軍備管理・科学審議官は「最終処分場はむずかしい問題であり、各国とも悩んでいる」と、未解決の問題であることを認めました。
松本議員は、核燃料リサイクル政策からの撤退は世界の趨勢(すうせい)であり、日本は原子力に依存しないエネールギー政策を進めるべきだと主張。小渕外相は「世界の趨勢になっている点は理解する」と答弁するにとどまりました。
●解説・・核燃料リサイクル政策原発で燃やした使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムやウランをふたたび原発の燃料として使用する政策。
◆高速増殖炉懇談会の西澤座長が〃絶対的安全ありえない〃と表明。
・・・衆院科学委で吉井英勝議員質疑(98/3/20)
一連の動燃事故で国民の不信が広がっている原子力研究開発について三月二十日、原子力委員会高速増殖炉懇談会座長の西澤潤一氏(元東北大学総長)は、「絶対的な安全はありえない」「原子力の場合にはとくに慎重に」と安全技術の確立が大切だとの見解を表明しました。
日本共産党の吉井英勝衆院議員の質問に答えたものです。
衆院科学委はこの日、原子力委員会高速増殖炉懇談会の西澤座長らを参考人に招き、動燃問題や高速増殖炉など原子力政策について意見を聞きました。
この中で吉井議員は、「もんじゅ」などの事故にも触れながら、仮にミスや失敗があっても、環境や地域、研究者自身に重大な影響がでないよう、安全技術の確立がとくに大事ではないかと質問。西澤氏は「仰せの通り」「絶対的な安全はありえない」「原子力の場合にはとくに慎重に」と答弁しました。
吉井議員は西澤氏の言葉を引いて、「危険にふたをする技術」(安全技術)が遅れている中で原子力技術の実用化に突つ走ったところに国民の不信があると指摘。放射性廃棄物の処理など長期的な視点で評価をする必要があるとして、西澤氏の見解を問いました。
これらに「おっしゃる通り」と同意した西澤氏は「(放射性廃棄物などの課題を)子々孫々まで残すことは恥ずべきこと」とのべました。また実験炉「常陽」から原型炉「もんじゅ」へ技術の継承がなされていなかったことについて、「技術の継承は非常に重要」と答えました。
・・・衆院予算委で木島日出夫が追求(98/3/20)
木島日出夫議員は三月二十日の衆院予算委第六分科会で原発問題を取り上げ、過酷事故対策(さらなる事故防止のための工事等)については、国が積極的に指導していくことを堀内光雄通産相に言明させました。
過酷事故対策はすべての電力会社にたいし、二〇〇〇年までに実施するとされているものの、事業者の自主性まかせになっており、現在整備されたものは三カ所のみです。木島議員はこの実態を浮き彫りにし、「もっと国が積極的にリードすべきだ」と追及。
堀内通産相は「安全確保が最重要であり指摘は当然。国がしっかり指導していく」とこれまでよりふみ込んだ答弁をしました。
木島議員は、東電と関電が地元の「安全協定」で規定されている「事前丁解」を得ないうちに、プルサーマル計画(プルトニウムとウランの混合燃料を既存の収発で燃やす方式)に利用するMOX燃料の製造・加工を発注してしまったことにたいし政府の姿勢をただしました。通産省側は事業者の責任でおこなわれるものと無責任な態度を示し、木島議員が「地元の丁解が得られない場合、燃料費・製造費などばく大な資金の損失は、電気料金引き上げなど利用者である国民にしわ寄せがくる。公益事業者にたいしては国がきぜんとした態度を示すべき」だと追及すると、「事業者は自信を持ってやつている」などとのべました。
これにたいし木島議員は「その事業者の思い上がりや、政府の電力会社追随の姿勢がこの間の重大事故をおこしている」と厳しく指摘。新潟刈羽原発に導入されようとている新型燃料によって、定期点検のインターバルを延長することはしないとの確認とりました。
・・・衆院予算委で木島日出夫が質問(98/3/19)
木島日出夫議員は三月十九日の衆院予算委員会第一分科会で原発問題を取り上げ、緊急事故対策におけるヨウ素剤(内部被ばく障害防止剤)の全戸配布と高速増殖炉「もんじゅ」の再運転禁止を要求しました。
ヨウ素剤は現在、原発から半径10キロメートル圏内の各保健所に一括して保管されています。そのため、緊急時にすみやかに服用できるように各家庭に配布してほしいとの住民の強
い要求がありました。
木島議員はチェルノブイリ事故の教訓や、半径四キロメートル以内の各家庭に配布されているスイスなどの例をあげ、副作用を理由にして配布に消極的な科学技術庁の姿勢をただし、「住民は真剣に考えているのでヨウ素剤が乱用されることはない。もっと住民を信頼すべきだ。少なくとも、病院・学校などへ分散配置すべきだ」と追及しました。
谷垣禎一長官は、「ご指摘の点はまったく無視ということでなく、頭に入れて対策を講じていきたい」とのべました。
木島議員は現在停止中の「もんじゅ」の事故調査体制に言及。事故を調査した同庁と原子力安全委員会のメンバーに「もんじゅ」を設置した時の安全審査にかかわった人物がいることを指摘し、あらためて第三者機関で調査することを要求しました。同庁側は「調査をスムーズに進行するため」などと開き直りました。木島議貝は「そんな態度では、とうてい再運転は認められない。福井県民二十二万の運転反対署名を尊重すべきだ」と迫り、同長官は「地元理解は前提である」と答えました。