敦賀市長が「もんじゅ」の「安全審査」に同意

・・・「二度と動かさないで」と署名した22万の福井県民の意志に真っ向から挑戦するもの(98/3/19)

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◆敦賀市長が「もんじゅ」の「安全審査」に同意

・・・「二度と動かさないで」と署名した22万の福井県民の意志に真っ向から挑戦するもの(98/3/19)  

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 原子力安全委員会は、ワーキンググループが二月十九日、「高速増殖原型炉『もんじゅ』ナトリウム漏洩事故に関する調査報告書」(第三次報告)を発表したものを妥当とし、敦賀市議会でも説明会を行いました。

 この報告を受けた河瀬市長は、三月敦賀市議会の代表質問に答えて、「安全審査と運転再開については別々に論議し、動燃が出した改善策を国が安全審査するのは認める」と述べました。これは、「安全審査と運転再開は切り離して議論できない。よって安全審査は認められない」といした県の見解より一歩も二歩も運転再開に向けて踏み込んだものであり、「『もんじゅ』は二度と動かさないで」と署名した二十二万をこえる県民の意志に真っ向から挑戦するものであり、とうてい認められません。

 

●事故調査の体制は、公正さと客観性をもった組織とはとうてい考えられない。

 事故調査を行った、科学技術庁のタスクホースと原子力安全委員会がつくったワーキンググループのそれぞれの構成メンバーを見ると科学技術庁審査に加わった人が4人、安全委員会審査に加わった人が4人含まれています。このように「もんじゅ」をつくったときの安全審査にかかわった人を多く採用しています。科学技術庁と安全委員会は、「もんじゅ」の安全に責任をもつ安全審査の担当機関です。

 先に、敦賀市議会の全員協議会に「もんじゅ」の「第三次報告」の説明にこられた住田さんも科技庁審査に加わった人です。両組織とも事故原因の徹底糾明をあげていますが、原因究明には「もんじゅ」の安全審査が適切であったかが問われるのは当然であり、責任を問うことも考えられます。

 この関係からすると、事故発生に責任をもち、責任を問われる機関は科技庁、安全委員会であります。しかし、「第三次報告」を行ったワーキンググループなどは、責任を問われる立場の人を参加させたうちわの組織であり、公正さと客観性をもった組織とはとうてい考えられません。科技庁などは、「構成委員は、国会の承認を得ているから公正だ」「安全審査にかかわった人がいないと調査が進まない」と言っています。しかし、安全審査にかかわった人が必要なら、調査委員会に呼んで聞けばいいわけで、アメリカのスリーマイル原発のときの「ケメニー委員会」や日航機事故のときの「航空機事故調査委員会」などは関係者を入れていません。社会的に見て安全審査にかかわった人を入れるのは、公正でないことは当然です。

 「第三次報告」を行ったワーキンググループなどの事故調査の体制は公正だと思われないのに、なぜ市長は「安全審査」に同意したのか疑問です。

●安全委員会と動燃及び河瀬市長は、「3、4月には国の安全審査を受けたい」という動燃の思惑で足並みがそろっているのではないか?

 

 昨年十二月十八日に出された「第二次報告」の安全委員会の委員長談話の5項で、「『もんじゅ』事故の原因及びその背景については、ほぼ究明されたものと考える。今後は、再発防止策についての審査審議が重要」と述べられています。これは、事故調査はほぼ終わった。だから今後は、再発防止の審査審議が重要で、ワーキンググループは床ライナーの方策に着手していくと言っています。そして、その一方で、この談話の二十日も前に、動燃の菊池所長は「もんじゅ運転再開の対策、改善策を決めて、この3、4月には安全審査に提出したい」と言っています。さらに、今回の「第三次報告」では、「動燃が具体的に『もんじゅ』の改善措置を講ずるに当たっては、当委員会はその措置について厳重な安全審査を行っていく」と述べて、「安全審査」をやると言っています。この一連の流れは、実に足並みがそろっています。

 安全委員会が、動燃からも政府からも干渉を受けない真の第三者であるならば、政府や動燃の日程に影響されないはずです。動燃と二人三脚ではその存在が問われることになります。

 河瀬市長は、動燃の日程にあわせるように、「安全審査するのは認める」と述べました。これは、政府や動燃の菊池所長などが引いたレールどおりであり、まさに三人四脚です。そうでないと言うのなら、動燃の日程にあわせるのではなく、事故の調査は本当に公平に行われたのか、そして国民の納得は得られたのかを真摯に慎重に見極めて結論を出すべきです。

●「もんじゅ」建設時の安全審査は公正に行われたのか

 ・・「もんじゅ」のナトリウム火災事故が起こった、二次系配管室以外でナトリウムが漏れる危険がなかったのか?

 

 「第三次報告」でも、事故のあった配管室以外で、ナトリウムが漏れる危険があったかどうかの記述はありません。

 「もんじゅ」のナトリウム火災事故は、二次系配管室の温度検出器さや管が破損したことが原因でした。この間の調査では、二次系温度計四十八本のうち、二十九本についても破損する危険性を認めています。しかし、事故を引き起こした「もんじゅ」の温度計は安全審査の対象にも、科技庁審査の対象にもなっていませんでした。 

 一昨年六月の事故原因究明の再現実験で床ライナーに穴があくことが確認されました。この実験で穴があいたのは、実際に事故があった配管室より狭かったことなどがあげられていますが、「もんじゅ」蒸気発生器室と加熱器室は実験で使用した部屋とほぼ同様の規模の大きさであるといわれています。

 この二つの部屋に「もんじゅ」で破損する危険性が認められた二十九本の温度計のうち数本が設置されていたわけで、ここで事故が起きる危険性があったわけです。

 動燃の説明では、この温度計の下に緊急時にナトリウムを抜き取って、ナトリウム流出をストップさせる「ドレン弁」という重要な機器などがあったと聞いています。この部屋で温度計が破損していたら、床ライナーに穴があきそして、安全を守る機器が破壊されもっと深刻な危険な事故になっていました。

 二月二十二日に福井原子力センターで行われた討論会でも、科技庁原子力安全担当審議官の結城章夫氏は、床ライナーに穴があくかあかないかにつて「ワーキンググループでも検討(ナトリウムと鉄に酸素が関与した界面反応のこと)はしました。」といっています。そして、「結果、先生方はほぼ大丈夫だろうといっている」と述べ、あいまいな表現をしています。しかし、動燃は「6ミリの鉄板が5・5ミリ腐食」するといい、科技庁原子力安全局炉規制課長の武山謙一氏は、「時間をのばせば確実に穴があく」といい、安全委員の住田氏は、「私は穴はあかない」と述べるなど、見解はてんでバラバラです。

 科技庁の結城氏は、「ナトリウムによる腐食という新たな知見がわかったから、その対策としてナトリウムの腐食を抑制する方策を講じなさいと科技庁、動燃に対していっている」から現時点で、あくかあかないか調査、議論することは意味がないなどと述べています。

 この調査、論議には意味がないとことでしょうか。「第三次報告」の安全委員長談話の最後で、「『もんじゅ』事故の原因及びその背景については、ほぼ究明された」と述べています。

 しかし、安全委員会、ワーキンググループ、動燃の「もんじゅ」でのナトリウム漏えいが他の場所で起こった場合、床ライナーに穴があくかどうかの見解がバラバラなのに、なぜ原因究明が終わったといえるのか疑問です。

 さらに言えば、「もんじゅ」でのナトリウム漏えいが他の場所で起こった場合、床ライナーに穴があくとすれば、「もんじゅ」の安全審査が問われることになり、安全委員会の責任問題となります。

●市民のいちばんの不安は、建設時の安全審査や事故調査の体制が公正だと認められないということから、運転が再開された場合、いつまた事故が起こるかわからないという不安。

 

 市長は、「安全確保と市民の不安解消のため、できるところから改善することが基本」などと述べ、「安全審査」を行うことに同意しました。

 しかし、市民がいちばん不安に感じているのは、ワーキンググループなどの事故調査の体制が公正だと認められないということ。それから、漏れないとされた「もんじゅ」のナトリウム漏れや虚偽報告などから「もんじゅ」などの「安全審査」が適切に、公正に実施されたとは思われないという疑問、疑惑ではす。そのことから、運転が再開された場合、いつまた事故が起こるかわからないという不安です。

 市長は、このように公正、客観的な第三者による原因究明がされないまま、運転再開につながる「安全審査」を認めたことは、市民の圧倒的願いに反することであり、かさねてとうてい認められません。

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