日立製作所が建設・保修を担当した沸騰水型軽水炉原発で、配管溶接時の熱処理データが改ざんされていた問題を調査している通産省・資源エネルギー庁は9月26日、溶接部健全性評価検討会(会長・近藤駿介東大教授)の第二回会合を開催。このなかで、日立製作所の子会社が、熱処理を実施した下請け企業に、データ改ざんを誘導したり、事実を知りながら黙認していたことが報告されました。
エネ庁が、日立製作所と子会社の日立エンジニアリングサービス、熱処理を請け負った「伸光」に立ち入り調査した結果として報告した文書によると、データ改ざんは82年ごろから始まり、多いときには月に二、三件のデータ偽造がおこなわれました。その初期には、日立エンジニアリングサービスの現場担当者が、温度記録の見栄えの悪いものについて、伸光の作業員に「真正でない温度記録の作成及び使用を誘導し、あるいは黙認するケースがあった」としています。
データの偽造は、伸光の営業所で、模擬配管を使っておこなわれました。エネ庁は立ち入り検査時に、試験片と熱処理用の焼鈍(しょうどん)装置一式を確認。再現実験をおこなったところ、「極めて乱れの少ない温度チャートが描けることを確認した」としています。
原発配管の溶接時の熱処理データが改ざんされていた問題で通産省資源エネルギー庁は26日、溶接部評価検討会に、これまでの調査結果について報告。14基の原発の248カ所で、データ改ざんの疑いが明らかになったと発表しました(表)。日立製作所は当初、同社が担当した18基の沸騰水型原発で、167カ所のデー夕改ざんがあったと発表していました。
同庁の報告によると、デー夕改ざんの個所は、本来きれいな温度記録を作成することがむずかしい大口径配管に多いといいます。
●島根原発1号機の調査結果も報告
同検討会には、定期検査中の島根原発1号機の調査結果も報告されました。一部委員からは「焼鈍はおこなわれているが、この数値では適正かどうか判断できない」とする意見もありましたが、「硬度測定や金属組織の検査結果など総合的に評価すれば、適切におこなわれたと判断できる」として了承されました。
データ改ざんにかんする調査報告 先頭に戻る
| 原子力発電所 | サイト | 溶接部位数 建設時 熱処理溶接部位数 |
溶接部位数 建設時 データ改ざん疑いの部位数 |
溶接部位数 補修時 熱処理溶接部位数 |
溶接部位数 補修時 データ改ざん疑いの部位数 |
| 福島第一 | 1号機 4号機 6号機 |
-- 1,601 -- |
-- 0 -- |
1,278 1,961 11 |
0 7 0 |
| 福島第二 | 2号機 4号機 |
4,749 3,426 |
12 34 |
6 204 |
0 0 |
| 柏崎刈羽 | 4号機 5号機 6号機 7号機 |
2,959 3,223 4,167 393 |
18 37 38 0 |
-- 25 -- -- |
-- 0 -- -- |
| 浜岡 | 1号機 2号機 3号機 4号機 |
-- 1,719 3,561 3,786 |
-- 0 8 19 |
777 798 35 7 |
0 2 0 0 |
| 島根 | 1号機 2号機 |
576 2,319 |
0 36 |
1,029 24 |
12 0 |
| 志賀 | 1号機 | 1,844 | 9 | -- | -- |
| 敦賀 | 1号機 | -- | -- | 928 | 11 |
| 東海第二 | 3,009 | 0 | 404 | 5 | |
| 合 計 | 37,332 | 211 | 7,487 | 37 |