原子力委員会の高速増殖炉懇談会報告で「高速増殖炉の開発続ける」と発表。・・「もんじゅ」事故に無反省

●世界は「撤退」・・莫大な浪費に=中島篤之助・元中央大学教授の話

●解説
「『もんじゅ』の蒸気発生器の改修必要」と報告。・・動燃が安全総点検で
(97/10/8、10赤旗)
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◆原子力委員会の高速増殖炉懇談会報告で「高速増殖炉の開発続ける」と発表。・・「もんじゅ」事故に無反省

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 原子力委員会の高速増殖炉懇談会(座長・西沢潤一東北大名誉教授)は10月9日、高速増殖炉開発の今後の在り方にかんする報告書案をまとめました。高速増殖炉の必要性を強調し、開発推進の従来路線を踏襲。1995年12月のナトリウム漏れ・火災事故以来運転が止まっている動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の「もんじゅ」についても、研究開発を続けるべきだとしています。(解説)

 ただ、「もんじゅ」の後に位置づけられている実証炉以降の計画については、「『もんじゅ』で得られる種々の研究開発の成果などを十分に評価した上で、その決定が行われるべきもの」と指摘。高速増殖炉の実用化の時期などについては、「柔軟に対応していくことが必要」としており、従来原子力委員会が目指していた2030年「ごろの実用化は絶対でないとの見方を示しています。

 同懇談会はもんじゅ事故を契機に昨年開かれた原子力政策円卓会議の提案を受けて設置され、今年一月から議論を続けていました。報告書案は14日の原子力委に提出され、今後一カ月間、一般からの意見を公募します。

●世界は「撤退」・・莫大な浪費に=中島篤之助・元中央大学教授の話

 ナトリウムを冷却材に使う高速増殖炉は、技術的困難が大きく、数10年にわたる研究開発努力にもかかわらず経済的に実用化のめどがたっていない。だからこそ世界各国で、研究開発から撤退したり中止している。報告書案は、なぜ各国が撤退したかの原因にはまったく、ふれていない。

 「もんじゅ」は、これまでに、直接経費だけでも約6000億円を費やしており、運転継続となれば、毎年100億円から200億円というばくだいな費用がかかる。世界各国が放棄した高速増殖炉にそのようなお金を新たにかけるのは浪費にしかならない。「もんじゅ」事故で失われた国民の信頼感をこれでとりかえせると考えているとしたら、国民世論への認識不足もはなはだしい。

◆<解説>プルトニウム利用路線の見直しを     先頭に戻る

 高速増殖炉は、プルトニウムを燃料として使いながら、原理的には使用した以上のプルトニウムをつくりだすとができる〃夢の原子炉〃と宣伝されてきました。政府は「技術は確立している」として、「もんじゅ」建設を推進、2030年ごろまでに実用化が可能になるとしてきました。

 しかし、「もんじゅ」の事故と、日本より先に高速増殖炉開発を進めていた、米、英、独、仏があいつぎ実用化を断念したことは、高速増殖炉が技術的に未確立で、経済的な見通しもないことをはっきり示しています。

 原子力委員会の高速増殖炉懇談会の報告書案のように、従来のプルトニウム利用路線にしがみついて、「もんじゅ」の運転を再開することは、新たな事故の危険と、国費のぱく大な浪費をうみだすことにつながります。国民の声を聞くというのであれば、プルトニウム利用を中心とした原発推進政策の根本をこそ見直すべきです。

●「開発中止もあり得る」・・懇談会座長

 高速増殖炉懇談会の西沢潤一座長は9日記者会見し、同日まとまった報告書案について「場合によっては高速増殖炉の開発を中止することもあり得るという意味を含んでいる」とのべ、今後の開発計画には柔軟性を持たせることを強調しました。ただ、開発の進め方については「方向は変わらない」とのべ、従来通りの開発推進路線に変更はないことを認めました。


◆「『もんじゅ』の蒸気発生器の改修必要」と報告。・・動燃が安全総点検で

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 動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は10月7日、ナトリウム漏れ・火災事故を起こした高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で進めている安全総点検で、専門家でつくる助言グループの会合を開きました。席上動燃は、蒸気発生器の細菅破断事故を想定した解析をやり直した結果、事故時に蒸気発生器から圧力を逃がす弁の増設などの改修をおこなう必要があることが分かったと報告しました。

 動燃は、ナトリウムから水へ熱を伝える蒸気発生器の細菅が破断する事故を新たな解析方法で計算し直しました。

 その結果、特定の条件で計算すると、ナトリウムと水の反応で部分的に細菅が高温になって強度か弱くなり、安全確保のための設計上の余裕がこれまでの約20%より、かなり小さい2%まで低下したといいます。

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