原子力委員会(委員長・近岡理一郎科学技術庁長官)は8月5日、処分地の選定などに難航が予想される高レベル放射性廃棄物の問題について、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の全国5カ所で市民との意見交換会を開くことを決めました。
同委の高レベル放射性廃棄物処分懇談会が、将来の処分に向けた基本方針をまとめた報告書案が同日公開され、来年一月下旬まで半年間、一般からの意見を募集することに合わせた措置。意見交換会の傍聴希望、報告書への意見応募とも問い合わせは科学技術庁原子力局廃棄物政策課(03-3581-5271)。
意見交換会の各地の日程は次の通りです。
△大阪=9月19日 △札幌=10月30日
△仙台=11月12日 △名古屋=12月11日
△福岡=98年1月14日(いずれも午後1時から)。
科学技術庁は8月4日までに、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ・火災事故で国への虚偽報告をおこなった動力炉・核燃料開発事業団(動燃)にたいし、もんじゅの運転停止を命ずる行政処分をおこなう方針を固めました。行政手続き法にもとづいて今月中に動燃や関係者から事情を聴く聴聞会を公開で開催後、正式決定します。停止期間は6カ月程度になる見込みです。
もんじゅ事故の虚偽報告では7月、職員二人のほか、法人としての動燃にも原子炉等規制法違反で罰金20万円の略式命令を福井簡裁が出しでため、局庁が同法にもとづく行政処分を検討していました。
動燃が期限の7日までに罰金を支払い次第、聴聞会の手続きに入ります。行政処分は原子炉設置許可の取り消しか1年以下の原子炉の運転停止を命ずることができます。
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の改革問題で、科学技術庁の改革検討委員会(座長・吉川弘之日本学術会議会長)が動燃の解体を見送り、改組にとどめたことについて、近岡理一郎同庁長官は一日の会見で「(政府の)行政改革会議や原子力委員会でも検討の結果、そういう方向で私が判断した。(検討委の設置直後の)原子力委でも日本の場合は核燃料サイクルが必要と確認した」として、検討委の結論は科技庁の意向通りだったことを認めました。
近岡長官は会見で、検討委が当初目指した「解体的改革」と表現すべきところを「改組的改革」とのべるなど本音をポロリ。慌てて科技庁担当課長が訂正する場面もありました。
原子力委員会の責任や今後の対応などについての質問に、原子力委員長である近岡長官をさえぎって何度も同庁の加藤康宏原子力局長が「(原子力委が)動燃に明確なミッション(使命)を与えられなかった」などと、みずからが委員長のような説明を繰り返し、本来、それぞれが独立している原子力委と科技庁の一体ぶりを示しました。
●動燃改革検討委員会(吉川座長)が科技庁長官へ新法人作業部会(部会長・鈴木篤之東大教授)を設置することなど報告書を提出
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の改革問題で最終報告書をまとめた科学技術庁の改革検討委員会の吉川弘之座長(日本学術会議会長)は1日、同報告書を近岡理一郎同庁長官に提出しました。近岡長官は、報告で指摘された改革の方針を具体化するため、同庁や動燃、電気事業連合会などの関係者でつくる新法人作業部会(部会長・鈴木篤之東大教授)を設置することを明らかにしました。