新法人で「核燃サイクル」を推進・・動燃改革検討委が最終案
(解説)実質的な体制温存計画一一委員会は、政府の作った結論に第三者的な装いをこらすのに利用された

(97/7/31赤旗)
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◆新法人で「核燃サイクル」を推進・・動燃改革検討委が最終案

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 動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の組織改革のために科学技術庁が設けた動燃改革検討委員会(座長=吉川弘之前東京大学総長)は7月30日、「動燃を改組し、新たな特殊法人を組織する」とした最終報告案を大筋で了承しました。報告書は8月1日に、近岡科技庁長官に提出されます。

 報告案は、ウラン濃縮・採鉱については民間に移し、新型転換炉からは撤退すると記述。新法人の中核的事業として@高速増殖炉およびそれに関連する核燃料サイクル技術開発A高レベル放射性廃棄物処理処分の研究開発一一をあげています。

 人形峠事業所ウラン濃縮工場(岡山県)や新型転換炉「ふげん」(福井県)は、「適切な過渡期間をおいて運転を停止」するとしています。「もんじゅ」を含む高速増殖炉の将来のあり方については、現在、原子力委員会で審議がおこなわれていることから、その審議結果などを踏まえながら適切な対応をとるとして、その後の対応は科技庁にゆだねられています。

 また、新法人の理事会の構成にかんして「新法人と特定の利害関係のある者や関係省庁からの出向者が大半を占めることなどは適当でない」と指摘しています。

 科技庁との関係では、科技庁の指導監督を「新法人が最大の効率で資源を利用できるような環境を設定するためのサービス」と、「資金が無駄な形で使われていないかを常に国民に代わって監視」するものと規定しています。安全確保のために、科技庁が、専門チームによる第三者的な安全評価を実施することとしています。

 報告を受けた科技庁では、新法人への改組の具体化のための作業部会を設置します。科技庁では、来年秋ごろをめどに新法人を発足させたいとしています。

●「相当の努力が必要」一一動燃理事長

 動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の近藤俊幸理事長は30日会見し、動燃改革検討委の最終報告について、「非常に厳しいもので、相当の努力が必要と思うが、積み重ねていくことで身に付いたものにしていかねばならない」とのべました。経営陣の刷新については「いずれはそういう時期がくるとは思うが、今は改革を進めるだけ」とのべるにとどまりました。一部事業の整理縮小については「地元の理解を得ながら進めていく」としています。


◆(解説)実質的な体制温存計画一一委員会は、政府の作った結論に第三者的な装いをこらすのに利用された

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 動燃改革検討委員会の最終報告案は、改組といいながら、一部組織を縮小し、名前を変えるだけの実質的な体制温存計画です。ウラン濃縮や新型転換炉の廃止などは、事故とは無関係に以前からの懸案だったものです。事故をきっかけに具体化したに過ぎません。

 動燃の一連の事故は、高速増殖炉や再処理施設という、核燃料サイクルの中核施設でのものです。動燃がかかえる問題を明らかにし、今後どうするかを考えるうえでは、これまでの核燃料サイクル政策を従来通り進めるのがよいのか、論議を深める必要があったはずです。

 しかし、最初の委員会で近岡科技庁長官は、「従来の政府の原子力政策については議論できない。政府の政策の枠のなかで議論を」と発言。委員会はこの枠を受け入れました。結論の大筋は、その時点で決まってしまったといっていいでしよう。

 その後の論議では、動燃の問題点や新組織の在り方など抽象的な内容に終始。科技庁や原子力委員会の問題点を指摘する意見が出されたこともありましたが、全体で議論されることはありませんでした。

 時間がないなどを理由に、結局、具体的内容については非公開で科技庁の事務局が作成。これを委員会で追認したのが実態です。内容的にも政府・自民党がつくったものと変わりません。

 公開を原則とした委員会でしたが、肝心なところは「非公開」の場で決定されました。

 科技庁が、同委員会の設置を発表したときには、「徹底的に第三者的なチェックを行い、抜本的な改革を図る必要がある」としていました。経過と結論をみれば、委員会は、政府の作った結論に第三者的な装いをこらすのに利用されたとしかいえません。国民の不信の高まりのなかでとられた措置ですが、これでは国民の不信は大きくなるばかりです。