原発広報見直しを‥吉井議員、独立した規制機関提起
福島第1 海水中のストロンチウム‥周辺で通常の1000倍
汚染水処理ストップ‥福島第1 約2時間、落雷で異常
小中生9000人が県外転校・・福島放射線に不安の中
九電会談メモ 大筋認める‥佐賀知事、責任は否定「やらせメール」 県議会特別委
ヨルダンとの原子力協定、委員長職権で趣旨説明決定‥衆院外務委
「エアコン設置を促す」被災者入居公的住宅‥塩川氏の要求に政府
がれき処理法案可決、負担実質ゼロ‥全会一致で、衆院復興特委
原水爆禁止世界大会・長崎が閉会総会‥「原発からの撤退」に連帯
(「しんぶん赤旗」2011/8/10)
原発広報見直しを‥吉井議員、独立した規制機関提起
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日本共産党の吉井英勝議員は9日の衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会で、「安全神話」を振りまく原発広報を根本的に改めるよう求めるとともに、原発ゼロを目指す独立した規制機関を提起しました。
吉井氏が国による原子力広報の総額をただすと、内閣府の泉紳一郎政策統括官は、2006年度から11年度までで約394億円(年間平均約66億円)が費やされたことを明らかにしました。(表参照)
吉井氏は、米スリーマイル島原発事故が起きた1979年から80年にかけて経済産業省の広報予算が2・3倍化し、チェルノブイリ事故が起きた86年から89年にかけても全体の広報予算が2倍化したことを示し、「大事故のたびに広報費が急増して、原発の危険から国民の安全を守ることに頭を使わないで、『安全神話』を宣伝してきた」と指摘。異常な広報予算を根本的に改めるよう求めました。
細野豪志原発担当相は吉井氏が示した広報予算の動きについて「資源エネルギー庁と保安院が混然一体で広報予算を使い、安全サイドにたった業務がやられていなかった象徴だ」と述べ、「根本的に考え方を転換し、白地から絵をかき直さなければいけない」と答えました。
規制機関について吉井氏が、民主党のエネルギー基本政策(02年)では行政から独立した機関の設置を掲げていたはずだと指摘すると細野氏は「行政庁の方が危機管理に資する」などと釈明しました。
福島第1 海水中のストロンチウム‥周辺で通常の1000倍
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)事故に関する政府・東電統合対策室の8日の記者会見で、同原発周辺の海域では放射性ストロンチウム90の濃度が7月中旬の段階でも依然として高水準だったことが明らかになりました。原子力安全委員会が報告しました。
検出されたのは、同原発の5、6号機放水口の北側約30メートルと、1〜4号機放水口の南側約330メートルの地点で7月11日に採取した海水。5、6号機放水口北側では海水1リットルから2・9ベクレル、1〜4号機放水口南側では同0・78ベクレル検出されました。
通常の海水1リットルから検出されるのは1000分の1ベクレル程度。原子力安全委員会事務局の加藤重治審議官は、「原発周辺の海水には通常の1000倍程度含まれている」と説明しました。
汚染水処理ストップ‥福島第1 約2時間、落雷で異常
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の高濃度汚染水処理システムが落雷で運転できなくなる事故が8日夜発生しました。落雷による誤警報などで、同システムの淡水化装置のポンプが停止したためだとしています。
東電によると、8日午後8時20分ごろ落雷があり、汚染水処理システムのセシウム吸着装直や除染装置がストップしました。
調査したところ、除染装置で処理した汚染水を淡水化する装置で、最初に除染装置から汚染水を受けるタンクの水位計から警報が出ました。そのため、このタンクのポンプが停止し、汚染水が送れなくなって停止したことがわかりました。東電は、落雷による誤信号で警報が出たと判断したとしいいます。
また、周じ落雷で淡水化装置の別のタンク1台でも水位計のヒューズが飛んで、そのタンクから汚染水を送り出すポンプが停止しました。東電はヒューズを取り替えるなどして、午後10時20分ごろセシウム吸着装置や除染装置の運転を再開しました。
淡水化装置自体は、落雷で一部のポンプが停止している間も、除染装置で処理した後の汚染水をためておくタンクに残量があったため運転を継続していました。しかし、9日午前1時50分ごろ、そのタンク内の汚染水がなくなり、処理システム全体が停止。再び汚染水がたまり始めた同日午前9時35分に運転を
再開したといいます。
東電は、落雷で今回のような事故が起きないようにする方法を検討するとしています。
小中生9000人が県外転校・・福島放射線に不安の中
福島県内の公立小中学校に通っていた児童・生徒のうち震災後に転校したり、夏休み中に県外に転校を予定していたりする小・中学生が約9000人いることが9日までに、県教委のまとめでわかりました。
県教委によると、震災発生から7月15日までに県外に転校した児童・生徒は小学生5710人、中学生1962人でした。
また、この夏休み中に県外に転校を予定している子どもは小学生918人、中学生163人。4分の3は放射線への不安を理由にあげているとしています。
5月1日現在で県内に在籍する小中学生は、推定16万5000人。このうち5%が県外に転校していることになります。
一方、夏休み中に県内の学校に転校を予定している子どもは小学生582人、中学生173人。半数は仮設住宅への入居による転校です。
一度は県外に転校したものの県内に戻ってきた児童・生徒数について、県教委は「現時点では調査していない」としています。
福島県教職員組合伊達支部・吾妻勝也書記長の話
九電会談メモ 大筋認める‥佐賀知事、責任は否定「やらせメール」 県議会特別委
佐賀県の古川康知事は9日、県議会原子力安全対策等特別委員会(38人の県議全員で構成)で、九州電力「やらせメール」の発端となったとされる九電幹部との「会談メモ」について、「細かいニュアンスや私の真意と違う点があるが、このような項目の話はした」とメモを大筋で認めましたが、「責任を取るつもりはない」と居直りました。
県民より九電か 武藤議員が批判
「会談メモ」は、6月21日に古川知事と九電の段上守副社長(当時)らが会談した内容を佐賀支店長(同)がまとめ、九電役員などにメールで報告していたものです。
古川知事は、九電幹部との会談で、玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働問題について「自民党議員は再稼働について理解がある。議員に対し、(再開を求める)支持者の声を伝えていくことは大事だ」と話したことを明らかにしました。県民説明番組(6月26日)についても「再開問題について経済界からも声を出したらよい」と述べ、出演者の人選にも言及したことを認めたものの「発言する相手や時期を考えると発言の内容は軽率だった」とするにとどまりました。「やらせメール」については「指示していない」と責任を否定しました。
質疑では12人が発言。日本共産党の武藤明美議員は「指示していないというが、『やらせメール』を招いた結果は重大だ」と指摘。「県知事の発言は、再稼働に向け九電に都合のよい道筋をつけようというもの。県民ではなく九電の方を向くような人は知事にふさわしくない」と批判しました。
ヨルダンとの原子力協定、委員長職権で趣旨説明決定‥衆院外務委
衆院外務委員会は9日の理事懇談会で、ヨルダンの原発計画に日本企業が参加するための原子力協定の趣旨説明を10日に行うことを小平忠正委員長(民主党)の職権で決定しました。日本共産党の笠井亮議員は「原発事故を起こした日本の原発輸出への動きは世界の信頼を失うものだ」と反対しました。
同協定は、震災後の3月31日の参院本会議で、日本共産党と社民党以外の各党の賛成で承認されたものの、衆院では、4月13日の外務委員会の理事会で笠井氏が「福島原発事故がレベル7になった翌日にこんな協定を承認すれば国際的な信頼を失うだけだ」と反対し、採決が見送られていました。
ところが8月9日の理事懇談会では、民主党の理事が、菅内閣が自民党議員の質問主意書に(1)「世界最高水準の安全性」をもつ原発技術を提供する(2)これまで進めてきた協定は信頼を損なわないよう進める―と答弁したことをあげ、「状況の変化があった」と審議入りを求めました。
自民党理事は「内閣の方針が揺るがないことは確認できた」などと同調しました。
笠井氏は、「4月から何が変わったのか。事故も収束していない」と批判。政府が国際原子力機関(IAEA)に出した28項目の教訓に基づく対策もとられておらず、「やらせ」問題で原子力安全・保安院の存在自体が問題になっている最中だと述べ、「協定承認にはもともと反対だが、少なくとも現時点での審議入りは、やめるべきだ」と反対しました。
「エアコン設置を促す」被災者入居公的住宅‥塩川氏の要求に政府
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居住条件の改善直ちに
日本共産党の塩川鉄也議員は9日の衆院総務委員会で、被災者が入居している公的住宅に速やかにエアコンを設置するよう求めました。片山善博総務相は、「被災地支援連絡会議の場で、(公営住宅のエアコン設置問題を)取り上げる」と述べ、設置を促す考えを示しました。
仮設住宅は、災害救助法にもとづき国庫負担でエアコンが設置されますが、公的住宅では仮設住宅扱いの手続きが必要なため設置が遅れています。
塩川氏は公的住宅への被災者の入居、仮設扱い、エアコン設置の状況を質問(表)。各省は「国家公務員宿舎へのエアコン設置の費用は国庫負担の対象となることを周知している」(財務省)、「雇用促進住宅については、災害救助法とは別に雇用・能力開発機構がエアコンを設置するよう7月25日付で通知した」(厚労省)、「関係都道府県に(UR賃貸住宅・公営住宅を)仮設住宅として借り上げるよう依頼している」(国土交通省)などと答え、迅速に対応することを約束しました。
塩川氏は、住生活基本法でも、お年寄りや被災者など住宅困窮者の居住の安定確保を掲げていることを指摘。「“仮設扱い待ち”にならず、被災者の居住の条件を改善するため、国や自治体、公的機関が直ちにエアコン設置を行うべきだ」と強調しました。
がれき処理法案可決、負担実質ゼロ‥全会一致で、衆院復興特委
東日本大震災で発生した大量のがれき処理を国の責任で行う特別措置法案が9日、衆院復興特別委員会で全会一致で可決されました。
同案では、がれき処理を「喫緊の課題」と位置づけ、国の責務と明記。焦点となっていた処理費用の国庫負担率については平均95%(現在同86・5%)へ引き上げることを委員会決議に盛り込みました。財政力が弱く、がれきの量が多い地方自治体には考慮し、最大99%も可能とします。地方負担分は交付税で手当てするため、実質的にはゼロとなります。また、東日本大震災発生日までさかのぼって適用となります。
条文には、処理作業に従事する労働者の適正な賃金確保などに関する統一的な指針の策定を明記。海のがれきについても早期に処理するよう定めています。自治体への概算払いの遅れについては委員会決議で「速やかな事務処理の下、迅速に支払う」としました。
採決に先立つ質疑で日本共産党の高橋ちづ子議員は、すべての会派が参加した実務者協議の場で合意が得られた意義を強調するとともに、「全額国庫補助について与党の理解が得られなかったのは残念だが、交付税措置によって実質100%負担となるのだから、現場がスムーズに流れるよう政府の努力を強く求める」と述べました。
全会派による修正協議は高橋氏が主張し、他党も賛同して実現しました。協議で高橋氏は、処理費用の全額国庫負担や煩雑な事務処理の改善、労働者の適正賃金確保やさかのぼって適用することを明記するよう求めてきました。