福井県・小浜市議会が「期限を決めて脱原発を」意見書を全会一致で採択
(山本雅彦2011/6/9)


福井県・小浜市議会が「期限を決めて脱原発を」意見書を採択

 福井県小浜市議会は6月9日、「原子力発電からの脱却を国に求める意見書」を全会一致で採択しました。同市は関西電力大飯原発(おおい町)から半径20キロ圏内に市全域が入り、10キロ圏内に市民のほぼ半数にあたる約16,000人が住んでいます。

 日本共産党の宮崎治宇蔵小浜市議は、「小浜市は、原発立地自治体に遠慮してこれまで言いたいことを言ってこなかった。しかし、福島原発事故を契機に、市民の『原発は不安。なくしてほしい』の声は大きくなっており、世論が議会を動かした。小浜市の意見書採択はたいへん重要な意味があり、これが全国にひろがり、多くの自治体で同じ意見書が採択されれば、原発ゼロへ大きな世論ができると思う」と感想をのべました。

 意見書では、@期限を定めて脱原発を図り、新エネルギーを促進するA運転開始から30年を超す原発の運転延長を認めないB緊急時計画区域(EPZ)の見直しC防災対策の確立D規制機関の分離・独立の5項目を求めています。

 また、マスコミ各社の報道によると、松崎晃治市長は「国は今後のエネルギー政策について方向性を示すべきだ」。関電は「重く受け止めている。これまで以上に安全対策に万全を期したい」とコメントしたといいます。

 

以下、全文は次のとおり

原子力発電からの脱却を求める意見書

 福島第一原子力発電所は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、1号機、2号機、3号機がメルトダウンを起こし、現在その収束の道筋さえ見えない深刻な事態に陥っている。

 この過酷事故によるおびただしい放射性物質の汚染により、福島第一原子力発電所から半径20キロ圏内の「警戒区域」、ならびに半径20キロ圏外の「計画的避難区域」に指定された住民は、住み慣れた家、職場を追われ、故郷に帰れる見通しもなく、苦痛な避難生活を送っている。

 小浜市は、14基の原子力発電所が立地する若狭湾の中心部に位置し、隣接自治体ながら大飯原子力発電所から半径10キロ圏内に小浜市民の半数にあたる16,000人が住み、また20キロ圏内では全ての市民が住んでいる。
 私たち小浜市民にとっては、この過酷事故は決して他人事ではなく、現在避難せざるを得ない人々の心情を思うと誠に忍びなく思う。

 原子力発電所は、多重防護による対策が取られているから過酷事故は起きず絶対に安全だという「安全神話」が完全に崩壊したことにより、福島第一原子力発電所の事故発生以来、日々原子力発電所事故に対し不安と危険を覚えている。

 よって、小浜市議会は、福島第一原子力発電所の過酷事故を教訓に、子孫にこのような不安と危険を残さないため、国においてエネルギー政策の抜本的な転換を図り、期限を定めて原子力発電から脱却することを強く求める。

 また、その期限に至るまで、このような過酷事故による危険を二度と起こさないため、原子力発電所の安全確保に十二分な措置を新たに取るよう、国に対し次のとおり要望する。

               記

1 期限を定めて原子力発電から脱却し、代替エネルギーに転換した新たなエネルギー政策を定めること

2 原子力発電所の安全を確保するため、30年を超え、高終年化している原子力発電所の運転の延長を認めないこと

3 原子力発電所にかかる緊急時計画区域(EPZ)を初めとする安全基準の抜本的な見直しを図ること

4 原子力発電所周辺地域の防災対策の確立を図るために、国の責任において地域の安全対策として、避難道路や避難施設等を早急に整備すること

5 原子力安全・保安院は、より一層原子力発電所の安全の確保を図るため、原子力利用を推進する経済産業省からの分離・独立ならびに権限強化を行うこと

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成23年6月9目
小 浜 市 議