内部被ばく 調査開始 福島原発 周辺住民120人対象

福島第1 循環注水冷却停止・・開始1時間半後、水漏れ

汚染・被ばく防止に万全を‥

仏 原発反対「人間の鎖」
上関原発建設“待った”/埋め立て延長 山口県知事「認めず」/地元「反対運動の成果」
(「しんぶん赤旗」2011/6/28)


内部被ばく 調査開始 福島原発 周辺住民120人対象

 福島第1原発事故を受け、放射線医学総合研究所(千葉市)は27日、福島県内の警戒区域や計画的避難区域の住民約120人を対象として、体内に取り込まれた放射性物質による内部被ばく量をどのように評価するか検討するための調査を始めました。

 住民らは正午前、バスで放医研に到着。身体表面の汚染検査をはじめ、甲状腺モニターや全身の内部被ばく検査機「ホールボディーカウンター」による測定、尿検査を10日間程度かけて行います。住民到着に先立ち、測定室の様子が報道陣に公開されました。

 放医研の明石真言理事は「(120人の)検査が終わってから10日以内には結果を説明したい」と述べました。

 この調査は、福島県が全県民に行う健康管理調査の一環。

 地面などに付着した放射性物質から生じる放射線を浴びる外部被ばくは、地域ごとの測定結果や個人線量計データから把握しやすい一方、空気や水、野菜などの食物から体内に放射性物質を取り込む内部被ばくの場合は被ばく量の評価自体が困難です。

 原発事故後、被ばく作業員の精密な診断をしたり、一般向けの健康相談窓口を開設したりしています。

 


福島第1 循環注水冷却停止‥開始1時間半後、水漏れ

 東京電力は27日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)のタービン建屋地下などにたまっている高濃度放射能汚染水を処理して原子炉に戻す「循環注水冷却」を午後4時20分に開始したと発表しました。しかし、原子炉への注水配管から水が漏れたため、同5時55分に注水を停止しました。汚染水の処理は続けています。

 循環注水冷却は、油分分離装置とセシウム吸着装置、除染装置、淡水化装置からなる処理システムで汚染水から放射性物質と塩分を取り除き、原子炉の冷却に使用するもの。試運転では、配管からの水漏れや、セシウム吸着装置の最初の部分にあるゼオライト(沸石)をつめた吸着塔の表面放射線型が1時間当たり4ミリシーベルトの交換基準を短時間で超え、約5時間で停止に追い込まれるなどのトラブル
が相次ぎました。

 東電はセシウム吸着装置の最初の吸着塔の中身をゼオライトから水やシリカ(二酸化ケイ素)に変えるなどして試運転を継続。これまでに、汚染水に含まれる放射性物質のセシウム134と同137を約100万分の1に、塩分を約270分の1に減らすことができたといいます。

 循環注水冷却では1日1200トンの汚染水を処理し、このうち注水に使える水を当面1日に480トンつくることが目標。これまでの試運転で注水に使える水が1850トンできているとしています。しかし、セシウム吸着装置の表面線量は低くなっていません。

 東電は26日の記者会見で定期的に放射性物質の濃度が比較的低い水をセシウム吸着装置に流したり、交換基準を緩和するなど運用方法の見直しを本格稼働前に行うとしていました。また、全長が4キロにもなる配管の漏れを事前にチェックするとしていました。しかし、27日の会見では、これらはいずれもシステムを本格稼働させてから行うと表明しました。

汚染水処理システムのトラフルなど
6月10日 米社製セシウム吸着装置配管接続部
     で漏えい

  14日 セシウム吸着装置、仏社製除染
   〜
  15日 装置ごとに試運転
     
  16日 吸着装置で漏えい
  17日 吸着装置と除染装置に高濃度汚染水を通水して運転。
      放射線量が交換頻度を上回り1時間半後に手動停止
  18日 吸着装置の安全弁破損
  21日 除染装置のポンプ自動停止
  22日 吸着装置の弁表示ミス
  24日 淡水化装置の処理開始
  25日 油分離装置の水位計警報で停止

 


汚染・被ばく防止に万全を‥

 福島第1原発のタービン建屋地下などにたまっている高濃度放射能汚染水は、主に原子炉を冷却するために注水した水が漏れ出したものです。溶融した核燃料から出た放射性物質を大量に含んでいます。

 東電は、「事故の収束に向けた道筋」(工程表)で、汚染水から放射性物質や塩分、油分を取り除いて原子炉の冷却に使用する「循環注水冷却」を、7月中旬が期限となる第1段階(ステップ1)で実施することを表明してきました。

 循環注水冷却は、汚染水をこれ以上増やさずに原子炉の安定した冷却を実現するのに必要です。現在、約11万トンがたまっていて、日々約400トンずつ増え続けており、このままでは7月初旬に、大雨が降ればさらに早くあふれ出して海などへ流出すると懸念されているからです。

 しかし、これまでの試運転で明らかになったようにセシウム吸着装置の表面線量が予想していたより高くなったり、配管から水が漏れるといった問題を二の次にしていいということではありません。

 表面線量は、作業員がクレーンで吸着塔の交換を行う際の被ばく線量を抑えるために設定されたものです。配管内には処理前なら1立方センチ当たり数百万ベクレル、処理後でも同数千ベクレルという放射能を含む水が流れています。

 新たな環境汚染の防止や作業員の被ばく線量低減に手立てを尽くすことが求められます。  (間宮利夫)