汚染水浄化5時間で停止・・福島第1再開めど立たず

汚染水浄化システム・・再開のびれば難しい状況に
ドイツ・トリッティン元環境相が来日記者会見‥原発のコスト高くつく/自然エネ拡大/日本も課題

24時間型社会チェンジ/全労連が原発撤退へ交流/福島・郡山
(「しんぶん赤旗」2011/6/19)


汚染水浄化5時間で停止・・福島第1再開めど立たず


 東京電力は18日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で増え続けている高濃度の放射能汚染水を浄化する水処理システムが本格運転から5時間で停止したと発表しました。

 運転再開のめどは立っておらず、18日に予定していた「循環注水冷却」も難しくなりました。同システムは汚染水対策の要。1週間以内に再開できなければ、放射能汚染水が地上にあふれ出す危険があります。

 東電は、17日午後8時から高濃度汚染水を使った水処理システムの本格運転を開始しました。しかし、18日午前0時54分、米キュリオン社製のセシウム吸着装置のうち、汚染水が最初に通る、油と放射性物質テクネシウムを除去する吸着塔で異常が発生。

 表面線量が、装置を交換する基準にしている毎時4ミリシーベルトを超えたため、停止させたもので、東電の松本純一原子力立地本部長代理は「付近の配管の影響か、高濃度の汚泥が入ったかもしれない。状況がはっきりしないので、運転再開の見通しはない」と述べました。

 汚染水を処理するシステムはセシウム吸着装置と仏アレバ社製の除染装置など四つの装置で構成。ゼオライトを充填した、油とテクネシウムを除去する装置は1カ月に1回、交換する想定で、作業員の被ばく量を抑えるために表面の放射線量を毎時4ミリシーベルトに設定していました。今回、放射線量が毎時4・7ミリシーベルトになったため、手動で停止。

 漏えいを検知する警報は鳴っておらず、カメラでも漏えいは確認できていないといいます。現在は、放射能濃度の低い汚染水を通す試運転状態に戻しています。

 


汚染水浄化システム・・再開のびれば難しい状況に

 トラブルを起こした東京電力福島第1原発の高濃度の放射能汚染水を浄化する水処理システム。汚染水は油分離装置からセシウム吸着塔に入り、除染装置、淡水化装置を経て処理されます。

 水処理システムは、試運転中に配管接続部からの漏えい、操作プログラムの不具合、吸着塔の安全弁破損とトラブルが相次ぎ、17日に予定より遅れて本格運転を開始したばかりでした。

 一方、原子炉から漏れ出ている高濃度汚染水は11トン。毎日、原子炉建屋地下などにたまり続けています。東電は、汚染水を敷地内の建物などに移す準備はあるものの、システムが1週間程度で再開できなければ、「非常に厳しい状況になる」としています。

ドイツ・トリッティン元環境相が来日記者会見‥原発のコスト高くつく/自然エネ拡大/日本も課題

 ドイツ連邦議会の90年連合・緑の党の議員団長を務めるトリッティン元環境相は17日、日本記者クラブで記者会見し、原発は再生可能エネルギーなどに比べても、コストが高くつくと強調しました。同氏はシュレーダー政権(1998―2005年)時代に環境相を務め、いち早く脱原発と再生可能エネルギー拡大を進めた立役者の1人です。

同氏の発言は、原発からの撤退に伴い、再生可能エネルギーの割合を引き上げれば、電気料金も高くなるのではないかとの質問に答えたもの。ドイツ政府は原発から段階的に撤退し、2022年までに全廃する方針です。

 トリッティン氏は、ドイツの電気料金は、一般家庭用も産業向けも高めだが、そのことでこれまでドイツの国際競争力に悪影響は与えていないし、これからもないと述べました。

 その上で、原発の場合、寿命の尽きた原発を停止し、何年もかけて安全に廃炉にし、解体するコストや、放射性廃棄物を最終処理し保存するコストも計算に入れるべきだと指摘。「こうしたコストが電気料金に上乗せされれば、誰も原発が安いとは主張できない」と表明しました。

 また、重大事故が起これば、日本でのように賠償金は膨大になり、もし電気料金に転嫁されたら大変なことだと指摘しました。

 今後のエネルギー政策について同氏は、短期的には省エネ、中期的には再生可能エネルギーの利用拡大が重要だと強調しました。

 記者会見後、同氏は、本紙の質問に答え、日本の課題は脱原発とともに再生可能エネルギーなどを拡大していくことだと話しました。