被ばく線量 「限度超」3人目か・・福島第1の東電社員

40代作業員、意識不明‥福島第1 重い体調不良者続出
被ばく線量 計画超す‥福島第1 3号機の建屋内作業の9人

アイナメからセシウム検出‥福島県いわき市沖
牧草セシウム許容値超える‥岩手の2ヵ所

東電株主402入「原発撤退を」
関電が15%節電要請‥病院、鉄道も対象に

3基の再開中止を/九州7県の共産党/九電に申し入れ
(「しんぶん赤旗」2011/6/11)


被ばく線量 「限度超」3人目か・・福島第1の東電社員

 東京電力は10日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で働いている同社の社員が新たに、今回の事故に限って設定された緊急時の被ばく線量限度の250ミリシーベルトを超える被ばくをしていた可能性があると発表しました。

 発表によると、新たに限度を超える被ばくをしていたとみられる社員は50代の男性で、3、4号機の運転員。事故が発生した3月11日から同14日まで中央制御室で機器の操作に従事し、同15日以降は主に同原発敷地内にある免震重要棟で作業をしていたといいます。

 日本原子力研究開発機構にある、内部被ばくを調べるホールボディーカウンターで精密に検査した結果、甲状腺から検出された放射性ヨウ素131の値が895ベクレルと通常より高めだったと、9日に報告を受けたといいます。外部被ばく線量は111・27ミリシーベルトで、東電は、内部被ばく線量を合わせると限度を超えている可能性があるとして、今後、放射線医学総合研究所(千葉市)で詳しく調べることにしています。

 また、これまで限度を超えているとみられていた同原発3、4号機運転員の30代と40代の男性社員の被ばく線量が10日、ほぼ確定しました。2人とも、1号機で水素爆発が起きた3月12日に甲状腺から検出されたヨウ素131すべてを取り込んだとみられ、30代の社員の内部被ばく線量は590ミリシーベルト、40代の社員は540ミリシーベルトとなりました。

 3月と4月の免震重要棟内での作業や移動時に受けた外部被ばく線量を加えると、それぞれ678・08ミリシーベルトと、643・07ミリシーベルトとなりました。3日に発表した推定値は、最大でそれぞれ654ミリシーベルトと、659ミリシーベルトでした。

解説・・ずさん放射線管理、作業員の命と健康守れ

東電の社員や作業員に対する被ばく管理のずさんさがまたも明らかになりました。今回、限度を超える被ばくをしていた可能性がある社員も、すでに限度を超えていたとみられる2人の社員と同じ3、4号機の運転員でした。

 東電は2人が限度を超える被ばくをしていた可能性があると発表した5月30日の時点で、同じ業務についていた人が約150人(その後130人に訂正)いると説明。残りの人たちの検査を進めていくとしていました。今回新たに限度を超える可能性がある社員がいると分かったのは10日以上たってからでした。

 東電は、検査が遅れている理由に、ホールボディーカウンターの数が限られていることをあげています。しかし、3人とも甲状腺からヨウ素131が高い値で検出されたことで限度を超える被ばくをしていることが判明しました。甲状腺の被ばく線量であれば、ホールボディーカウンターでなくてもサーベイメーターをのどに当てれば、わずかな時間で測れるといいます。

 ことは、高濃度の放射性物質があちこちに存在する現場で働く人たちの生命と健康をどう守るかという問題です。一刻も早く検査を進め、適切な対応をしていくことが求められています。(間宮利夫)


40代作業員、意識不明‥福島第1 重い体調不良者続出

 東京電力は10日、福島第1原発で働いていた関連企業の40代男性作業員が同日朝、意識不明となり、ドクターヘリで福島県いわき市内の病院に連ばれたと発表しました。発熱もあるといいます。

 この作業員は9日午前、防護服に全面マスク姿で放射性物質飛散防止剤を散布する作業をしていましたが、宿舎で10日朝、意識混濁状態になっているのを同僚が発見しました。9日の被ばく放射線量は0.07ミリシーベルトだったといいます。

 同原発では、9日にも免震重要棟で働く40代男性の東電社員がドクターヘリで病院に運ばれ、心筋梗塞で約2週間の入院が必要と診断されるなど、重い体調不長者が続出しています。


被ばく線量 計画超す‥福島第1 3号機の建屋内作業の9人

 東京電力は10日、福島第1原発3号機原子炉建屋内に9日入った作業員の被ばく線量を上まわったことを明らかにしました。

 東電によると、9人は放射線量の測定をするため9日午前11時47分ごろから約30分間にわたって3号機の原子炉建屋内に入りました。計画では被ばく線量を5ミリシーベルトまでと決めていましたが、9人は最も高い人で7・96ミリシーベルト、最も低い人でも5・88ミリシーベルト被ばくしていたといいます。

 福島第1原発では作業1回ごとに、被ばく線量をあらかじめ設定しています。東電は、9人の作業員がなぜ計画を上回る被ばくをしたかはわかっていないとしています。

 経済産業省原子力安全・保安院によると、3号機原子炉建屋内の線量測定で1時間当たり100ミリシーベルトの線量の場所が見つかったといいます。


アイナメからセシウム検出‥福島県いわき市沖

 厚生労働省は9日、福島県いわき市沖で取れたアイナメとエゾイソアイナメ、キタムラサキウニからそれぞれ食品衛生法の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表しました。最大はエゾイソアイナメの1150ベクレルですが、県内の漁業共同組合が漁を自粛しているため市場には出回っていません。


牧草セシウム許容値超える‥岩手の2ヵ所

 岩手県は10日、県内2ヵ所で採取した牧草から国の暫定許容値(1キロ当たり300ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表しました。一関市が1010ベクレル、藤沢町が308ベクレルでした。県は2市町内の畜産農家に対し、放牧や牧草の利用を見合わせるよう要請しました。


東電株主402入「原発撤退を」

 東京電力は10日、定時株主総会を28日に都内のホテルで開催する
と発表しました。

 同社の公表資料によると、株主402人が原子力発電事業からの撤退を定款に盛り込むよう議案を提起しました。

 402人の株主は「未来の子どもたちに負の遺産を残し、地元に負担を押し付ける原発からは即刻撤退すべきである」と主張。東電取締役会は議案に反対の立場で、今後の原発事業については「事故の調査結果やエネルギー政策全体の議論などを踏まえて検討する」と説明しています。


関電が15%節電要請‥病院、鉄道も対象に

 関西電力は10日、今夏の電力不足に備え、管内の全顧客を対象に15%程度の節電要請を行うと発表しました。

 7月1日から9月22日の間、平日午前9時から午後8時まで、すべての顧客に節電を求めます。鉄道や病院なども対象になります。市民生活や企業活動への影響は避けられない見通しです。

 現在実施している中部電力、東京電力などへの電力融通は中止します。

 関電の原発は全11基中4基が定期検査のため運転を停止しており、8月までにさらに2基が停止します。美浜原発などが立地する福井県は津波対策が不十分として運転再開に難色を示しており、夏の電力需要期を前に再開のめどが立っていません。