原子炉建屋内 57ミリシーベルト 福島第1原発3号機 高放射線量を測定

福島第1原発事故・・備え怠り対策も遅れる、東電・政府の責任重大‥大門参院議員が追及

放射能水上昇82センチに・・2号機・立て坑移送めど立たず

原発事故“警告に耳傾けなかった”・・参院委 大門実紀史参院議員、東電の責任ただす
原発増設計画凍結も・・参院予算委 菅首相が示唆
主張・・米原子力艦船 重大事故起きない保障はない
(「しんぶん赤旗」2011/4/19)


原子炉建屋内 57ミリシーベルト 福島第1原発3号機 高放射線量を測定


 東京電力は18日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)3号機原子炉建屋内の放射線量が最大で1時間当たり57ミリシーベルトだったと発表しました。1号機でも最大で同49ミリシーベルトでした。両機とも、水素爆発とみられる爆発で原子炉建屋の上部は大破しています。東日本大震災が起きたとき運転中だった1〜3号機で原子炉建屋内の放射線量が明らかになったのは震災後初めてです。

 放射線量の測定は、遠隔操作の米国製ロボットを使って17日に行われました。1号機では一辺が約40メートルある真四角な部屋の北側と南側に二つある二重扉の北側から入り、まっすぐ進んで測定しました。その結果、二重扉から数メートル入ったあたりで1時間当たり約49ミリシーベルト、30メートルほど入ったところで同約10ミリシーベルトであることがわかりました。

 16日に北側の二重扉から30メートルほど離れた南側の二重扉のガラス窓のところで測定した値は同270ミリシーベルトでした。北側と南側で測定値が異なっている理由は、南側の二重扉内側や、その奥の調査は行っていないためわからないといいます。

 3号機では一辺が約46メートルある真四角な部屋の南側の二重扉から入りました。扉の内側で1時間当たり約28ミリシーベルト、数メートル入ったあたりで同30〜57ミリシーベルトでした。それより奥には、がれきが散乱していて進めなかったといいます。

 ロボット操作には東電と関連会社の社員12人があたりました。最初の扉を開くのは人間の手で行ったことなどから、最大で6ミリシーベルトを被ばくした作業員がいたといいます。

 17日公表された「工程表」に示されている対策を実施するには、原子炉建屋内に入って作業する必要があります。東電は、「注意すべき高放射線量であり、今後よく見極めていきたい」としています。

 18日には、水素爆発で原子炉格納容器が損傷しているとみられる2号機原子炉建屋内の調査が行われました。


福島第1原発事故・・備え怠り対策も遅れる、東電・政府の責任重大‥大門参院議員が追及


 「二度とこうした原発事故を起こさないために、東京電力は事故を起こした責任を認めよ」

 日本共産党の大門実紀史議員は18日の参院予算委員会で、政府とともに東京電力の責任をただしました。

 東京電力の清水正孝社長を参考人として招致した同日の集中審議。おわびはあるが、事故を起こしたことにたいする謝罪はないとして大門氏は、日本共産党福島県委員会や市民団体が再三、津波被害などで冷却機能が失われる危険性を指摘し、直接東電に対策を求めてきた事実をあげて責任を問いました。

 大門 いろんな知見に耳を傾けず、津波対策を怠ってきた。事故を起こした責任をはっきり認めるべきだ。

 清水社長 想定は甘かった。原因については徹底分析したい。

 責任について答えず、あくまでも、今回の事態は「想定外」だったと強弁する清水氏。

 大門氏は、東電は「低い津波しか想定していなかったという自己批判、責任、謝罪がないと、同じことを繰り返すことになる」とのべ、菅首相も同じ認識かと質問しました。

 菅氏は、「予想の甘さがあり、原因になったことは免れない」と東電の対応を批判せざるをえませんでした。

 事故後の対応が適切だったのか―。

 大門氏は、原子力安全基盤機構が昨年10月に示した報告書を示し、東電の事故対応を追及。原発が全電源を喪失した場合、同報告書では16時間半後に格納容器が熱で破損し、放射性物質が外部に流出すると警告していることを指摘。
 ところが、海江田万里経産相が海水の注入を命令したのは3月12日午後8時5分、東電による注入開始は同20分だったことをとりあげ、「もっと早い段階で海水を注入していれば、水素爆発は避けられたかもしれない。なぜもっと早く決断しなかったのか」とただしました。

 清水社長 最善の努力で海水注入をやった。

 大門 最善の努力をしてなぜ爆発したのか。(海水注入で)廃炉にするのが怖かったのだろう。普段からの備えをしていない、事故が起きたときも海水を入れない、知見さえ知らない。二重の人災だ。東電の責任は重大だ。

 首相はどうだったのか―。

 大門氏は、菅首相が原子力安全基盤機構の報告書を「知らなかった」と答えたのを受け、全電源喪失(11日午後3時42分)から十数時間後という一番大事な時間に、現場視察のために政府内の対策本部を離れた菅首相の対応を批判しました。

 大門 東電が、(海水注入や蒸気排出を)やらねば、(政府が)すぐやらさなければいけない十数時間だった。そのときに官邸を離れるのは不適切だ。

 菅首相 現地を見て、話を聞いたことは、その後の対応につながった。対策を考える上で効果があった。

 同報告書の警告を知った今でも対策本部を離れた対応を正当化する菅氏にたいし大門氏は、「もっと早く海水注入やベントをやらせていれば、爆発は起きなかったかもしれない。不適切だったと反省すべきだ」と批判しました。


放射能水上昇82センチに・・2号機・立て坑移送めど立たず
 東京電力は18日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機のトレンチと呼ばれる地下の配管トンネルと、地上を結ぶ立て坑にたまった高濃度放射能汚染水の水位が地上から82センチまで上昇したと発表しました。


 トレンチの汚染水は、原子炉圧力容器内の損傷した燃料から出た放射性物質を合む水が流出したもので、2号機タービン建屋地下にたまっている水とつながっていると考えられています。総量は約2万5000トンと見積もられています。


 東電は、約3万トンの容量がある集中廃棄物処理施設に移送する計画です。同施設に貯蔵していた汚染水を海へ放出した後、地下水が染み出してくることが判明するなどしたため、止水工事が行われています。工事が終了しても、経済産業省原子力安全・保安院の検査を受ける必要があり、移送がいつ行えるかはっきりしていないといいます。


 また、移送は1時間に12トンをくみ上げる能力があるポンプ3台を使って行われる予定で、完了には20〜23日かかるとの見通しを明らかにしました。