原発100キロ圏の調査で、テルルと銀を検出・・文科省が発表
(山本雅彦2011/11/02)


原発100キロ圏の調査で、テルルと銀を検出・・文科省が発表

 文部科学省は10月31日、東京電力福島第1原発の半径100キロ圏内で、放射性物質のテルル129mと銀110m(m=準安定状態・メタステーブル)の土壌汚染について調査した結果を発表しました。同省は、最高値を検出した場所で、今後50年間で人体に影響を及ぼす放射線量を、それぞれ0・6ミリシーベルトと3・2ミリシーベルト程度と評価し、「セシウムと比較すると影響は小さい」といいます。

 調査は6〜7月、福島県を中心に約2200カ所で実施。テルル129mは約800カ所、銀110mは約350カ所から検出されました。原発の北西方向で濃度が高く、セシウムやプルトニウムなどと同様に風向きの影響を受けたとみられるといいます。

 最大濃度はテルル129mが同県大熊町で1平方メートル当たり約266万ベクレル、銀110mが双葉町で同約8万3200ベクレル観測されました。いずれも原発から数キロの地点だといいます。

テルル(Te)129m・・ウランやプルトニウムが核分裂して発生します。揮発性で半減期は33・6日ですが、β線を出しながら崩壊してヨウ素129に変わります。変化したヨウ素129は、半減期が1600万年と非常に長いことから自然界からなくならないといわれます。
 体内に入った場合、骨や腎臓、甲状腺などに蓄積されやすいとされます。

銀(Ag)110m・・天然の銀109が中性子を捕獲することで作られる放射性核種で、今回、粒子状で環境に放出されたものがほとんどで、半減期は250日です。中性子捕獲で生成されるので中性子過剰となり、セシウム137やヨウ素131同様βマイナス崩壊し、β線とγ線を出します。

 

※文部科学省公表。凡例の単位kは1000倍の意味