日本共産党の吉井英勝衆院議員らは8月28日、放射性物質の漏れ出しを長年にわたって放置していた動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所(茨城県東海村)の現場を調査し、中田啓・動燃理事や小山兼二・東海事業所副所長らから事情をききました。このなかで、ウラン廃棄物の発生源や形態、量などにかんする管理記録かないことがわかるなど動燃のずさんな管理の実態があらためて明らかになりました。調査には、阿部幸代参院議員の秘書が同行しました。
吉井議員らは、小山副所長から経過や現状について説明を受けた後、現場を調査しました。ウラン廃棄物が入れてあるドラム缶を収容したコンクリート槽(廃棄物屋外貯蔵ピット)では、マンホールの、ふたをあげて内部を点検。底に水かたまっている状況や、はじめは3段に積んであったというドラム缶が横倒しになり、さびついているのを確認しました。ドラム缶には、ナンバーなどが見つかりませんでした。
吉井議員らは、ウラン廃棄物の台帳などはどうなっているのか質問。小山副所長らは台帳そのものがないことを明らかにするとともに、今後、現在建設を進めているウラン廃棄物処理施設に移すときに新たに台帳をつくるしかないなどとのべました。
調査終了後、記者会見した吉井議員らは、驚くべきずさんさであり、動燃には放射性物質を扱う資格かないことをあらためて示したと強調。動燃がおこなった調査でも、ウラン廃棄物を収容したコンクリート槽の周辺土壌から通常よりはるかに高い濃度のウランが検出されているとして、原因究明を急ぐ必要があると指摘しました。
また、動燃には低レベルだからと放射性物質の管理を軽視する傾向があるとして、この姿勢をあらためるよう強く求めました。吉井議員らが動燃全体の総点検をおこなうよう求めたのにたいし、中田理事は実施を約束しました。
●動燃が虚偽の予算執行。仮建屋建設費で防水工事・・科技庁に報告・・科技庁動燃事業団法にもとづく監査を検討
動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所(茨城県東海村)の低レベル放射性廃棄物貯蔵施設で放射性物質が漏れ出していた問題で、動燃が同施設を改修するため廃棄物を一時保管する仮の建屋建設をおこなうなどとして申請した予算を、申請とは異なる防水工事や排水装置の購入に充てていたことが8月28日分かりました。科学技術庁には建屋の着工など申請通りの予算執行をおこなったと偽りの報告をしており、同庁も、申請通りに実施されているのかチェックをおこなっていませんでした。
予算は、老朽化した貯蔵施設を改修するため、施設真上に仮の建屋を建設するなどとして1993年度から申請されました。ところが、94年度は建屋建設の予算2億8千9百万円を地質調査や施設の防水工事に使用。
95年度は廃棄物の移転として2億3千9百万円の予算を取得しましたが、浸水がひどくなったことから排水装置の購入などに充てていました。
さらに96、97年度は、内壁の補修・改修費などとして獲得した予算4億9百万円を水抜きなどに使っていました。その上、来年度予算概算要求では建ててもいない仮建屋の撤去・復旧費として7千100万円を申請していました。
予算を認めた同庁側は「目的外使用とまではいえないが、現場をチェックしなかった落ち度はこちらにある」としながらも、動燃事業団法にもとづく監査を検討するとしています。
動燃は「水が増えるなどして仮建屋の建設ができなくなり、計画を変更せざるを得なかった。予算は貯蔵施設改修のために使ってきた」などと説明しています。