●関電立ち入り検査へ・・保安員「延性割れ」の見方。漏れ800トン
●火力発電所も配管点検へ・・保安院が指示(2004/8/12「しんぶん赤旗」より)
●美浜原発死亡事故 運転中の建屋に多数の人いれるな・・共産党が緊急要請経産相と原子力安全・保安院に申し入れ
四人が死亡した関西電力・美浜原発3号機事故で、日本共産党福井県委員会は十一日、中川昭一経済産業相と原子力安全・保安院に徹底究明と再発防止などを緊急に申し入れました。十日に事故現場を調査した吉井英勝衆院議員、木島日出夫前衆院議員、塩川鉄也衆院議員秘書らが同行、定期点検準備という名目で運転中の原発建屋に安全軽視で多数の労働者を入れないことを強く求めました。伊藤敏原子力防災課長、梶田直揮原子力発電検査課長が対応しました。
![]() 関西電力美浜原発3号機事故で申し入れる。右から吉井英勝、木島日出夫、佐藤正雄、上原修一、山本貴美子の各氏=8月11日、経産省にて |
同事故では、小学校などの二十五メートルプール三つ分に相当する八百トンの高温水が一気に蒸気や熱湯として建屋内に噴出。吉井議員は「建屋には小さな出入り口しかない。二百人がすぐ避難できない構造だ。(死傷した)十一人以外にも高温の蒸気を吸うなどして気道にやけどを負っている可能性もある」とのべ、事故建屋に入っていた労働者全員の健康調査を求めました。
伊藤課長は「報告を受けているのは十一人だけ」と説明。原子力安全・保安院として建屋に入っていた労働者の健康状態を把握してないことがわかりました。労働災害問題として、厚生労働省と緊急に連絡をとって対応していくと答えました。
原発稼働中での準備作業について、梶田課長は「十四日から定期点検すると申請がでている。東電の記録改ざん事件の反省から、自主点検や準備作業も国が確認することにし、社内の内部監査機能も強化するようにしている」と説明しました。
日本共産党福井県委員会副委員長の佐藤正雄県議らは、事故原因の徹底究明および再発防止に全力をあげる▽事故を教訓に県内の原発を総点検する▽住民へのすみやかな通報をはかること――など四項目を要請。緊急申し入れには、党国会議員団福井県事務所の宇野邦弘所長、敦賀市の上原修一、山本貴美子両市議が参加しました。
●関電立ち入り検査へ・・保安員「延性割れ」の見方。蒸気漏れ800トン
関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出死傷事故で、経済産業省原子力安全・保安院は十日、損傷した二次系配管個所について、大きな圧力が掛かって引き伸ばされ、限界を超えて破損する「延性割れ」との見方を示しました。さらに原因調査を進めるとともに、保守管理体制に問題があった可能性があるとして、関電に対し、立ち入り検査する方針です。
破損した配管について、保安院の山下弘二首席統括安全審査官は「開いて伸びている」と指摘。
配管の内側が、長期にわたる使用を通じ、高温高圧の水流によって削られ、薄くなり、水流の内圧に耐えられなくなって延性割れを起こしたとの見解を明らかにしました。
保安院は今後、金属の厚みが磨耗で薄くなる減肉を関電がどのように管理していたかなどを調査。保守点検を請け負った三菱重工(東京都港区)と「日本アーム」(大阪市北区)に対しても説明を求め、原因究明を進めます。
同審査官はまた、関電に対し「しかるべきタイミングで立ち入り検査を行う」としています。
破損配管が長期間検査対象から漏れていたことについては、「関電の(配管の〉保守管理は不適切」と批判しました。
検査漏れ重視、立件も視野に・・福井県警
福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出死傷事故で、県警敦賀署捜査本部は十一日も現場検証を行い、配管破
損状況について調べるとともに、関係者らから事情を聴きました。同本部は、破損部分が検査対象リストから漏れ、関電が点検委託会社の指摘を受けるまで十三年間気付かなかった点を重視。保守管理体制に問題があった可能性があるとみて、業務上過失致死傷容疑での立件も視野に捜査を進めるといいます。
破損した配管部分をめぐっては、点検の主要個所でありながら、プラントメーカーの三菱重工業の対象リストから抜け落ち、その後、同社から説明を受けた点検委託会社「日本アーム」が、迅速に関電に報告せず、関電側が昨年十一月になって初めて指摘を受けたとしていることなどが分かっています。
漏れた蒸気800トン
美浜原子力発電所の蒸気噴出事故で、関西電力は十日、配管が破損して噴出した二次冷却水が約八百トンに達していたことを明らかにしました。三十〜四十分間にわたり流れ出たとみられるといいます。ニ次冷却水はすべてで千百トンが循環していました。
福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出死傷事故を受け、経済産業省原子力安全・保安院は十一日、全国の電力会社などに対して、火力発電所の配管についても点検を指示することを決めました。
3号機の事故では、破損した配管が長期にわたる使用を通じ、水流で削られて薄くなり、水流の内圧に耐えられなくな「延性割れ」が事故原因との見方が強まっています。
保安院は、火力発電所でも「同種の配管がある」として、点検を指示することを決めました。点検の対象となる火力発電所は全国で約八百四十基。