●原発総点検と安全対策を・・日本共産党が各地の電力会社、自治体に要請
●「なんでこんなことに」遺族ら号泣(2004/8/11「しんぶん赤旗」より)
●美浜原発死亡事故 「絶対安全」崩れた。つのる不安、怒り、不信…“放射能漏れていたら…”
四人の死者を出した福井県美浜町の関西電力美浜原発の事故から一夜明けた十日、地元の人たちは「大変な事故が起きたねえ」とことばを交わしながら、「放射能でも漏れていたら…」と事故の衝撃を語り、関西電力への不信をのぞかせていました。
原発が見える同町丹生(にう)の海岸。ヘリコプターが上空を飛び交うなか、海水浴客でにぎわいを見せていました。原発の対岸にある丹生小学校の校庭からは、事故現場のタービン建屋からあがる白い蒸気が見えます。
敦賀半島の根元、原発から六キロほど離れた同町佐田に住む河合武夫さん(83)は事故の第一報をテレビで知りました。「びっくりしたが、放射能が漏れなくてよかった」と率直な気持ちを語ります。同時に、「関電が破損した部分を建設後一度も点検していなかったとは。『絶対安全だ』と繰り返し言ってきたことが崩れた」と怒りの気持ちを表します。今後については、「安全性をもっと重視すべきだ。常に蒸気が通り摩耗するような個所もしっかり点検しないと不安だ。住民としても監視を強めなければならない」と語っていました。
原発から四キロ離れた同町菅浜に住む前田秀男さん(78)は「原発の前の丹生の浦は昔、地震で陥没してできたものという。原発の下も活断層が通っている。爆弾を抱えているようなもの」と話しました。
同じ菅浜で民宿を営んでいて、原発の定期点検に来る人を泊めているという女性は「亡くなった人は気の毒。昔は一基の定期点検に三〜四カ月かけていた。けれど、最近は三交代とかで短い期間ですましてしまう」と話していました。
●原発総点検と安全対策を・・日本共産党が各地の電力会社、自治体に要請
各地の日本共産党は十日、関西電力美浜原発3号機の事故を踏まえて、原発の総点検と安全対策の申し入れを電力会社や関係自治体に行いました。
党愛知県委員会の八田ひろ子前参院議員、瀬古由起子前衆院議員、堀一前県議は十日、名古屋市東区の中部電力本店を訪ね、中部電力の浜岡原発(静岡県)でも1号機が一九七六年から、2号機が七八年から運転しており、3、4号機を含め総点検と安全対策をと申し入れました。中電側は、各原発と火力発電所の過去の検査記録のチェックを社長名で指示したが、その結果は何らかの形で公表したい、事故を起こさない対策は関電の調査結果が出た段階で対応したいと述べました。
九州電力川内原発がある鹿児島県川内市では、党北薩地区委員会の横路千里委員長、村山智副委員長、笠毛通夫川内市議や周辺町議らが、森卓朗川内市長に緊急要請を行いました。川内原発1・2号機が美浜原発事故機と同じ加圧水型。森市長は「二次系も含め検査強化を申し入れる」と回答。「九電からの報告では、事故を起こした配管は九電では定期検査の際に点検しており通常厚さ十二ミリが九・七ミリになっているが運転に支障はないとしている」ことも明らかにしました。
党愛媛県委員会と同県議団(今井久代、佐々木泉県議)は愛媛県に対し、四国電力伊方原子力発電所の総点検と安全対策を求めました。
党佐賀県委員会や佐賀県原発問題対策協議会(真鍋毅会長)、玄海原発対策住民会議(坂本洋会長)は、九州電力佐賀支店と県庁を訪ね、松尾新吾九電社長と古川康知事あてにそれぞれ、玄海原発の総点検を求める申し入れをおこないました。
福井県美浜町の原発事故で死亡した「木内計測」の男性社員四人は、敦賀市の市立敦賀病院に運ばれた時、既に恩絶えていました。「ちくしょう。なんでこんなことに」。九日夜、同病院に駆け付けた遺族は、変わり果てた肉親の姿に号泣しました。
亡くなった社員の高島裕也さん(二九)の遺族は、同病院内で遺体と対面。この後、四階の看護師控室へ入りました。中年の男性や女性、車いすで駆け付けたお年寄りの女性の姿も。「あんな元気なやつがなんで死ぬのか「」最初はけが程度だと思ってたのに」。控室からは遺族らのおえつが漏れました。「兄ちゃんの分まで生きなきゃあかんよ」「さみしなるけど、仕事で死んだんだから」と声を掛け、懸命に悲しみをこらえる男性も。遺族との対面が終わった後、高島さんの遺体は警察の検視を受けました。
業務上過失致死傷の疑いで現場検証
福井県警関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、福井県警敦賀署捜査本部は十日昼すぎから、業務上過失致死傷の疑いで現場検証を開始。経済産業省原子力安全・保安院や同県原子力安全対策課とともに、事故原因の究明を進める予定。
捜査本部によると、検証は県警捜査一課や同署など捜査員約三十人態勢。関電職員の立ち会いの下、タービン建屋全体と破損した配管などを詳しく調べます。この日は死亡した木内計測の作業員四人のうち、まず二人の死因を調べるため、司法解剖も実施。入院中の同社作業員やほかの下請け業者関係者からも順次、事故当時の状況について事情を聴く方針です。