●関電 配管点検1年4カ月放置・・摩耗の可能性、昨年4月に関電に検査会社が指摘(2004/8/11「しんぶん赤旗」より)
![]() 事故現場の視察を終え、記者の質問にこたえる左から塩川鉄也、吉 井英勝両衆院議員、木島日出夫前衆院議員=8月10日、福井・美浜町関電ピーアールセンター前にて |
四人の命を奪った関西電力美浜原発3号機(加圧型軽水炉、八十二万六千キロワット)の配管破裂事故をめぐり、日本共産党国会議員団は十日、同原発のある福井県美浜町で現地調査を行いました。調査には、吉井英勝、塩川鉄也両衆院議員、木島日出夫前衆院議員と地方議員ら十四人が参加しました。
関電若狭支社側が事故について説明。調査団は「稼働中のタービン建屋(事故現場)に作業員を(事故当時)二百人も詰め込むなど、かつてはなかったこと。以前は百二十日あった定期検査の日程が三十日以上も短縮していることに関係があるのではないか」と質問。藤井堯支社長は、「データがないので申し上げられない。どういう形の作業がいいのかは、各協力会社の作業員確保の問題もある」と明言を避けました。
必要な配管の点検が行われてこなかった理由については、「きちんと行っているつもりだったが抜けていた」「未点検の部分は今後速やかに点検したい」と答えました。
同県にある関電大飯原発で、「同様に配管の厚みがすりへる異常があったにもかかわらず美浜原発では点検しなかったのか」と、調査団に問われると、「結果的に軽く見ていたといわれても仕方ない」とのべました。
吉井氏は、「労働者や住民の安全・命がおろそかにされている、ゆゆしき問題だ」と厳しく指摘しました。
調査団は、事故現場も調査。事故の起きたタービン建屋(三階建て)は、アルミと保温材で包んだパイプと鉄柱が入り組んでいるところ。金網状の床には、保温材として使われた数ミリから二十センチ程度の石こう状の粉が散乱しています。
破断したパイプは数十センチにわたって観音開きに内側からめくりあがり、破裂のすさまじさを物語ります。二十八年前、十ミリの厚さで製作されたはずのパイプは、薄いところで一・四ミリ、厚いところでも三・四ミリに減肉しています。
木島氏は「まるで紙のように見えた。二十数年間の摩耗があったと思う。真相究明に全力をあげたい」と語りました。
調査を終えた塩川氏は「国会での閉会中審査の要求など、多面的に原因究明を進め、安全の確立を求めていきたい」と話しました。
四人が死亡、七人が重軽傷を負った関西電力美浜原発3号機の事故で、保守点検を請け負った検査会社「日本アーム」(大阪市北区)は十日、事故を起こした配管破損個所について、昨年四月の段階で関電に対し、点検を提案していたことを明らかにしました。関西電力は検査をせずに運転を続けていました。また、関電は同年十一月に、日本アームから提案を受けたとしており、指摘時期をめぐって約半年間の食い違いが出ています。
日本アームによると、同社は昨年四月、定期検査の中で、今回の破損個所を含めた配管の未点検個所のリストを、優先順位をつけて関電に提出。同年十一月に問題個所について点検することを決定し、今月十四日から実施の予定でした。
同社は、美浜原発に六人から八人の現地スタッフを常駐。指摘後の昨年四月から十一月までの間、関電と点検計画について協議を続けており、双方とも未点検個所の存在を把握していたとしています。
関電によると、一九八六年に米国の原発で給水管の肉厚が薄くなり、圧力に耐えられず蒸気が漏れて作業員が死傷する事故が起きたのを受け、八九年からは保有原発の同種配管を点検対象にしました。事故を起こした二次系配管についての管理指針は九〇年に作られたといいます。
関電は、昨年十一月に、日本アームから問題の個所に摩耗の可能性があること、検査の必要性があることの指摘を受けたといいます。
しかし関電はすぐに検査することをせずに、今月十四日から予定されていた定期検査で点検することにしていました。
また、関西電力広報室によると、日本アームから指摘を受けたときに、そのことを経済産業省に報告しましたが、経済産業省からは、何の指示もなかったといいます。これについて経済産業省では、報告を受けていないとしています。