福井県敦賀市にある動燃(動力炉・核燃料開発事業団)ふげん発電所で4月に重水漏れ事故が起きたさい、通報遅れが問題になっていた件で動燃は3日、同事故にかんし情報連絡体制等の改善策を示し、地元自治体の了解を得たうえで5日にも運転を再開するとの意向を示しました。
これには原発の危険から住民の安全を守って活動している地元住民らから批判の声があがっています。日本共産党嶺南地区委員会は5日、敦賀市長に対して「ふげん」の運転再開に同意しないよう求める申し入れました。
敦賀市の阿路川企画部長は「国が停止命令を出したのだから、国の責任で動かすというのだから了解した」などと「『ふげん』は永久停止にしてほし」という市民感情を無視した態度に終止。党側は、「3日に情報連絡体制の改善についての文書回答があって、4日にはOKを出している」。ほんとうに安全性を確認したのか疑問だと住民不在の原子力行政を批判しました。
○「原発の安全性を求める嶺南連絡会」代表委員の坪田嘉奈弥さんの話
改善策が出て2日後には運転再開。国も県などもこれに同意の方向ですが、住民の安心がこれで得られるのか。説明会の開催も広報で住民の意見を聞くなどの手だてもなく、原子力行政はこれまで同様まったくの住民不在のままです。一昨年、「もんじゅ」事故を起こしたばかりなのに、今ごろになって連絡体制の改善策がでてくる動燃の姿勢とこれをチェックしなかった科学技術庁の責任は重い。この間、何を反省し改変してきたのか明らかにすべきだ。そして連絡の改善をしたとしても、万一の場合のヨウ素剤の機敏な配布など、自治体の手で住民に安心が得られる対策が講じられなくてはいけません。
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敦賀市長 河瀬一治殿
一九九七年六月五日
日本共産党嶺南地区委員会
「ふげん」の運転再開に同意しないよう求める申し入れ
六月三日、科学技術庁は「動燃による情報伝達体制の改善策等は妥当であると判断」し、同日原子炉を起動する、と発表しました。貴殿も「国の判断と責任で再開するというのを認めないわけにはいかないだろう」と述べ、県も「科学技術庁が了解すれば差し支えない」と県民生活部長が答えたと報道されています。この報道のとおりであれば、市、県の対応は、世論を無視したものといわなければなりません。
日本共産党は、「ふげん事故」で四月三十日に国会調査団が調査にはいり、「ふげん」発電所、科学技術庁、労働基準局を調査しました。
そこで明らかになったことは、科学技術庁がおこなった立ち入り調査で問題にしたのは、通報連絡のみで、事故処理、トリチウムの漏えい、作業員の被ばく、過去の事例についてはいずれも問額なしと判断している、という重大な問題です。だから、「情報伝達体制」だけの改善で、運転再開を認める対応となるのです。しかも、わが党の追及にたいして、「連絡は(チャートの変化などで)すみやかにおこなうべきだと思う」、「放射線障害防止法の主要な事業者については、法令報告以外にも報告するよう指導を考えている」などと答えながら、今回の改善策はそれらがまったく考慮されていない不十分なものです。
こういう状況での運転再開などとうてい認められるものではありません。
市は、市民の安全の側にたつべきです。「国の判断と責任で再開するというのを認めないわけにはいかない」などという政府の原子力行政に柔順な態度は、ふたたび市民に災いを招く道にほかなりません。
よって、わが党は次の点をつよく申し入れます。
記
一、「ふげん」の運転再開を認めないこと。
電力会社の反対によって実証炉計画が中止され、目的を失った新型転換炉は、費用効果からみても、「もんじゅ」以下であり、いたずらに運転を継続することは税金の無駄づかいです。運転永久停止を政府に要求すること。
一、「ふげん」は原型炉であり、実際には五年以上前のデータも蓄積されているはずです。まだ隠されている事故についてもすべて公開させ、市民の前に明らかにさせること。
一、今回の事故では、科学技術庁の運転菅理専門官の活動をふくめて、監督官庁が責任をもって「ふげん」の安全を管理する体制が非常に弱いことが浮き彫りとなりました。この改善策もあわせて明らかにさせるとともに、市民にしめすこと。
一、今回の労働者被ばくについては動燃からの報告はなく、労基署からの問い合わせで明らかになったが、現在、放射線管理専門官が一人しかいない労基局・署の体制強化を政府にもとめること。
以上
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