ふげん事故一一作業員11人被ば く。
        動燃また情報かくし

出力降下中に、「ふげん」が緊急自動停止。
「永久停止して」一一地元から怒りの声
福井県と敦賀市立ち入り調査
解説「ふげん」「トリチウム」

(97年4月17日付け赤旗)                  

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ふげん事故一作業員11人被ばく動燃また情報かくし

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 動燃の新型転換原子炉「ふげん」の放射性物質漏れ事故で、現場に入った作業員11人が微量の被ばくをしていたことが16日、福井労働基準局などの調べで分かりました。動燃は15日、同労基局に被ばくの事実を報告しながら発表はしておらず、福井県への報告も16日になってからでした。事故の報告遅れに次いで「情報隠し」もあったことになります。
 同労基局によると、作業員は事故後の14日午後8時から同8時半の間、重水精製建屋でポンプのバルブを閉めたり、排水管とポンプの継ぎ目の密閉作業をして被ばくしました。被ばく量は一番多い人で0・01ミリシーベルトと微量だといいます。ふげん側から15日被ばくの通報を受けた同労基局と敦賀労働基準監督署が調査していました。
 動燃は15日の発表で「環境への放射能の影響はない」としていましたが、作業員の被ばくについては言及しませんでした。

◆「ふげん」が緊急自動停止。出力降下中に

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 福井県敦賀市の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の新型転換炉「ふげん」(16万5五千キロワット)が15日夜、自動で緊急停止しました。ふげんは14日、付属装置から放射性物質のトリチウムが大気に漏れる事故を起こしましたが、外部への連絡通報が遅れ、科学技術庁の近岡理一郎長官が15日夜、動燃に運転停止を命令していました。
 動燃によると、停止命令を受け、同日午後10時半から出力降下を開始しましたが、この1分後に蒸気から水分を取る「湿分分離器」で水位が高くなったことを示す信号が発生、タービンが自動停止、それに伴い、原子炉が緊急自動停止しました。原因は調査中としています。
 当初の予定では、動燃は午後10時半から出力降下を開始し、16日午前7時半ごろ手動で原子炉を停止する予定でした。

◆「永久停止して」一一地元から怒りの声

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 福井県敦賀市ある動燃の新型転換路「ふげん」の重水精製装置建屋内で事故が起き、県などへの通報が大幅に遅れた問題で、原発の危険から住民の安全をまもって活動している県内の関係者から怒りの声があがっています。
 敦賀市を中心に活動している原発の安全性を求める嶺南連絡会の上野寿雄代表委員は「たび重なる事故に加えて、欠陥つづきの動燃はもう信用できんという思いだ。技術上問題があることもはっきりしたプルトニウムの循環方式はやめるべきだ。動燃は今まで税金を使って何をしてきたのか。『もんじゅ』とともに『ふげん』も永久停止してほしい」といいます。
 原発事故で放射性ヨウ素が放出されたとき直ちに飲む必要があるヨウ素剤の販売をしている福井民医連あわの薬局の池田利幸さん(28)は、「事故隠しにつづく今回の通報遅れでは腹がたつの一言です。
 今年になってからヨウ素剤の販売は5千錠ほどで、茨城の勲燃再処理施設事故のときも県外の人から注文がありました。通報が遅れることは、原発の危険から身を守りたいというこうした住民の思いを完全に無視するもので怒りでいっぱいです」と語っています。

◆福井県と敦賀市立ち入り調査     先頭に戻る

 動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)の放射性物質のトリチウム漏れ事故で、福井県と敦賀市は16日午前、原子力安全対策課の職員を派遣、事故の原因や、科学技術庁長官の運転停止命令にもとづく出力降下中に原子炉が緊急自動停止した原因などについての立ち入り調査を始めました。運転記録の調査をおこなうほか、職員らから事情を聴取して、原因の究明を進めます。
 同県の栗田幸雄知事は同日午前、事故の通報が一日以上遅れたことについて「怒り心頭に発している」などと語りました。
 福井県などの調査は動燃との安全協定にもとづくもので、同県は3人、敦賀市は1
人の職員を派遣、事故現場の調査もおこないます。


【解説】
●「ふげん」             先頭に戻る

 使用済み核燃料の再処理で取り出されるプルトニウムやウランを燃やす原子炉として開発された新型の原子炉が新型転換炉。「ふげん」は、基礎的な技術を検証するとして動燃が開発した新型転換炉の原型炉。実用化のための実証炉が、青森県大間町に建設される予定でしたが、建設費や発電コストが既存の軽水炉型原発の3倍も高くつくことを理由に、電気事業連合会が中止を要請。政府は、高速増殖炉が実用化されるまでのつなぎ役と位置づけていた新型転換炉の実用化を断念しました。
 「ふげん」の存在意義そのものが失われましたが、「ふげん」は運転を続けています。「ふげん」の建設などに約3千億円つぎ込まれています。


●トリチウム

 水素原子と化学的性質は同じで、質量が約3倍の放射性物質。「ふげん」は、原子炉の減速材に重水(水素の約2倍の質量の重水素と酸素の化合物)を使っており、燃料の核分裂で生じた中性子との反応でトリチウムができます。半減期は約12年。体内に入ると水や核酸などの水素と入れかわって害を及ぼします。

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