| 原子力発電所の安全性の基本を、「少しの傷なら公表も修理もせずに運転を続けてもよい」という方向に緩和しよう――。経済産業省の原子力安全・保安院の佐々木宜彦院長と東京電力の榎本聡明副社長・原子力本部長の二人が専門誌の座談会でそう公言していたことが14日までに分かりました。両者は、東電の原発損傷隠しを座談会当時知っており、東電の不正を追認するような発言です。
これは、『月刊 エネルギー』今年一月号の新春座談会「原子力発電所の検査を考える」。佐々木院長、榎本副社長(当時は常務)ら七人が出席しています。
榎本氏は、「われわれ(電力会社)が安全と考えていることと、社会が安全と感じ、安心することの間にかなりのギャップがあって、これが原子力発電所の運営にあたって一つの障害になっていると思います」と発言。佐々木氏も「技術的にいわれる安全が国民の皆さんの安全に対する考えとはかみあっていません」と榎本氏同様に「ギャップ」を指摘しています。
さらに榎本氏は軽度の事故では、「適切な保修を行って、安全を確認したという報告が終われば、自主的にプラント(発電所)を立ち上げても問題はない」と国の検査抜きの技術基準の緩和を主張しています。
榎本氏は、委員として参加する経産省の諮問機関、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会でも同様の規制緩和を主導しています。
|