| 東京電力で新たに隠ぺいが明らかになった8件について、東電は13日に概要を把握しながら、国への報告も公表もしていなかったことが20日、明らかになりました。
東電によると今月5日、福島第一原発から本社原子力管理部に対し、最初に問題になった炉心隔壁(シュラウド)のひび割れと同様の問題が、再循環系でもありそうだとの相談がありました。このため、同部が福島第二と柏崎刈羽の両原発にも調査を指示したところ、13日に回答があり、三原発で計8件の問題があることが分かったといいます。
その後、同部と三原発は事実関係の確認を進め、16日に同部長から南直哉社長へ「シュラウドと同じような案件がありそうだ」と報告。翌17日には社内調査結果についての記者会見がありましたが、新たな8件について具体的な言及はありませんでした。
19日に詳しい報告を受けた南社長は「できるだけ速やかに公表するように」と指示し、同社は24日にも原子力安全・保安院への報告と一般への公表をする予定だったといいます。
原子力安全・保安院は「不正の恐れがある事案を発見した場合は、直ちに連絡する」ことを指示しており、東電の総点検計画書でも、「万が一、不正のおそれがある事案を発見した場合には、直ちに原子力安全・保安院に連絡すること」と書かれています。
「猛省促したい」保安院調査に評価委員苦言
東京電力の損傷隠し・検査記録改ざん問題で経済産業省の原子力安全・保安院の調査を評価する委員会(委員長=佐藤一男原子力安全研究協会理事長)の第二回会合が20日、経済産業省内で開かれ、中間報告骨子の事務局案が示されました。それに対して「反省より猛省を促したい」など、保安院の調査が二年もかかったことを批判する意見が出されました。
提示された案では「(東電の不正の)申告の内容が仮に事実だとしても安全性は確認された状況にあり、法令違反もないと考えられたことから、保安院にしんしゃくの余地がある」などとしています。
住田裕子委員は「申告は氷山の一角。まさに背後には、法令違反もあった隠ぺい工作もあったが、結果的に見逃してしまった、軽く考えて過ちをおかしたということを正面から取り上げるべき」だと指摘しました。
2000年7月に申告があった二件の事例の調査を直接申告者ではなく、東京電力に任意の調査をしたことにたいして、住田委員は「申告があったから聞きますという聞き方は問題がある。もっと範囲を広げて聞くべきだった。そういう反省がちっとも書かれていないでは、『反省すべき点は多々ある』と書かれても、非常に不満だ」とし、「この件についてはそういう手法を取らなかったことについて、反省よりも猛省を促したい」と述べました。
同委員会では次回にも、中間取りまとめを行う予定です。
再循環系 配管の水漏れは重大事態に
日本に現在ある商業用原子炉は52基。大きく、沸騰水型軽水炉と加圧水型軽水炉の二つの型に分けられます。
再循環系は、沸騰水型軽水炉に欠かせない重要機器です。原子炉内の冷却水をいったん取り出してポンプで圧力を加えて原子炉内に送り込み、炉内の冷却水をかきまぜています。これによって燃料棒の過熱を防ぐとともに、ポンプの回転数を変化させることで原子炉の出力を調整しています。
再循環系の配管から水が漏れるようなことになれば、炉心の冷却水喪失・炉心溶融という重大な事態につながる可能性があります。
商業用原子炉52基のうち、東北、東京、中部、北陸、中国の各電力会社と日本原電の原発計29基が沸騰水型にあたります。
電力トップこの感覚
住民への謝罪はなし
中部電副社長
「現場の判断で、安全を脅かすほどの問題ではないと判断した。隠そうとしたわけではない」―。中部電力の浜岡原子力発電所で、ひび割れが見つかった問題で、中部電力の寺沢宏副社長は20日、名古屋市内の本社で会見し、記者団の質問に終始淡々と答え、周辺住民に対する明確な謝罪は最後までありませんでした。
国に報告しなかったことについて寺沢副社長は、「報告体制に問題があった」と一部責任を認めました。
発覚「まだあり得る」
東京電力社長
南直哉東京電力社長は20日の電気事業連合会会長の退任会見で、新たに原子力発電所の検査データの隠ぺいが発覚したことに関連、社内調査の過程で今後も同様なトラブルが出てくるかどうかについて、「あり得るかとは思っている」と述べ、可能性を示唆しました。
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