日本原電に申し入れた全文を紹介します

2002年 9月 30日                              日本共産党嶺南地区委員会
                                         委員長 小柳 茂臣
                                         福井県議会議員 奥山 裕二
                                         日本共産党敦賀市議会議員団
                                         団長 河内 猛

日本原子力発電(株) 鷲見禎彦 殿

日本原電のシュラウド損傷隠しについての申し入れ

 東京電力に続いて中部電力や東北電力、さらには東電での新たな損傷隠しが明らかになるなど、事態が拡大しています。貴社でも、炉心隔壁(シュラウド)に多数のひび割れが見つかっていたのに国や県、関係自治体に報告しないまま運転を続け、それを隠したまま交換していたことが明らかになりました。これに対し「やっぱり原電でもあったか、市民を無視した態度にはあきれる」などひろく市民の怒りを呼んでいます。

 こうした事態を受けて、西山とき子参院議員(産業経済委員)を調査団長とする日本共産党国会議員調査団が27日、現地の敦賀原発1号機を調査をしました。

 その中で、47カ所にもおよぶ「ひび割れ兆候」が確認された96年(H8年)の自主点検(第24回定険時)の結果や評価を国に報告しないまま、97年(H9年)12月にシュラウドの交換を決め、その後当初27回定険で交換する予定を一年以上も早め、前倒しにする形で、26回定険で交換を社長をふくめ決裁したことが明らかになりました。

 これは、95年12月に発生した旧動燃「もんじゅ」のナトリウム漏れ火災事故の事故隠し、ビデオ改ざんなどが社会的に大問題になっていた時期であり、批判を恐れた貴社が、多数見つかったひび割れなどを報告せず、隠して運転を続け、その後早々にシュラウドを交換してしまったのではないか、という重大な事故隠しの疑惑が生じているのは当然です。

 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の第24条3項では「原子炉の運転を適格に遂行するに足りる技術的能力が」なければ、設置を「許可してはならない」と定めています。

 調査の中で貴社は「水平方向溶接線の傷が進んで、全周に傷が及べば、(シュラウドが)二つに割れる危険があり、安全上問題がある」と答弁し、重大事故に発展する危険性を認めました。もし仮に、今回交換したシュラウドやそれに付随する炉内構造物に、交換する以前に重大なひび割れが生じており、その事実を隠して運転を継続していたとするなら、上記の「法」違反および電気事業法違反の可能性があり、原子炉を安全に運転する能力、資格がないといわなければなりません。

 私たちは、原子炉容器内の炉心隔壁損傷という、原子炉の生命線にかかわる、深刻な事故につながるものであり、市民の命を重大な危険にさらしかねない重大問題であるとの立場から次の事を申し入れるものです。

1、日本の原子力利用における、いわゆる平和3原則は「民主・自主・公開」 である。1955年に制定された、原子力利用の「憲法」とされる原子力基本法は「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとして、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする」と定めています。よって、その主旨にしたがい、貴社原発の総点検を行い、その安全性に疑問がある原発の運転は停止させること。

 また、貴社が行う「自主点検調査対策委員会」、「社外第三者評価機関」などについても、上記の主旨にしたがい自治体や住民を参加させること。

2、貴社は「20回定検時に、スイスの発電所シュラウドで傷が見つかったので、念のため当所でも検査してみたが異常がなかった。それで21回定検は検査していない。しかしその後アメリカでも同様の事例が出たため、22回定検から検査を再開した。原子力発電の技術力アップのためにも経験の交流が大事であり、当所でも検査をしていた。

 その後、世界で取り替えが進んだので、当所でも取り替えが妥当と判断した」と回答しています。

 しかし事実は、世界の原発のシュラウドでひび割れが見つかり、交換が進んだ。貴社の1号でも93年の22回定検での目視と超音波探傷試験で『ひび割れ兆候』が見つかった。その傷は、24回定検時には多くの箇所に広がり、また傷の深さも確実に深く進行した。安全上問題があるので、その後に交換を行ったのではないか。

 また、貴社は「取り替えたシュラウドは検査していない」といいます。しかし、電気事業者であり、技術者なら交換したシュラウドの傷が、どういう状態であったのか、知りたいと思うのは当然であり、検査しているはずである。

 したがって取り替え前と取替後のシュラウドにかかるすべての点検に関する記録、および、取り替えの判断はいつ、誰の判断で、どういう方法で行ったのかなどの報告を速やかに敦賀市および市民に行うこと。

 3、小泉内閣は、「今後、2010年度までの間に原子力発電電力量を2000年度と比較して約3割増加することを目指した原子力発電所の新増設が必要である」とする方針を確認するなど、政府はなお原発大増設路線をすてていない。

 しかし、貴社敦賀3、4号機の建設は、経済性を最優先し、安全性を犠牲にした世界最大級の計画であり、その必要性も「今後電力消費量がアップするし、そうならないと困る」という理由だけで、その根拠もあいまいである。さらに発電単価の根拠も示せないなど採算性も不透明である。よって、必要性もなく安全性犠牲で市民の命を重大な危険にさらしかねない巨大原発3、4号機建設は中止すること。

以上

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